テロ

フェルディナント・フォン・シーラッハ / 酒寄進一

2016年7月10日

東京創元社

1,760円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会

2013年7月26日、ドイツ上空で旅客機がハイジャックされた。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだのだ。しかし緊急発進した空軍少佐が独断で旅客機を撃墜する。乗客164人を殺して7万人を救った彼は英雄か? 犯罪者か? 結論は一般人が審議に参加する参審裁判所に委ねられた。検察官の論告、弁護人の最終弁論ののちに、有罪と無罪、ふたとおりの判決が用意された衝撃の法廷劇。どちらの判決を下すかは、読んだあなたの決断次第。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』のシーラッハが放つ最新作! 原書より、テロリストの襲撃を受け12人の犠牲者をだした「シャルリー・エブド」誌がMサンスーシ・メディア賞を授与された際の著者による記念スピーチ、「是非ともつづけよう」を併録。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

ドイツの弁護士でベストセラー作家の邦訳最新。 この人の作品はさらっと読める割にけっこう深いので出る度に読んでいるのだが、これも良かったな。作者初めての戯曲。 テーマはシンプルで、テロリストが乗っ取った旅客機が満員のスタジアムを狙う。これを一存で撃ち墜とした戦闘機パイロットの裁判を法廷劇の形にしてある。 一幕目で状況説明、二幕目で検察官、弁護人それぞれの弁論。三幕目が二つ~有罪ケースと無罪ケース~という作り。 哲学的には昔からある「より大人数を救うために少人数を殺すことは許されるのか」というテーマになんの衒いもなく正面から取り組んだ姿勢が素晴らしい。大変面白く読みました。 内容に関係無いけど、作者の紹介にいちいちナチス幹部の孫って書く必要は無いのでは、と思う。

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