厳寒の町

アーナルデュル・インドリダソン / 柳沢 由実子

2019年8月22日

東京創元社

2,310円(税込)

小説・エッセイ

男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血溜まりは凍り始めていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後、母親と兄と一緒にレイキャヴィクの住宅街に越してきた。人種差別的な動機による殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始める。CWAインターナショナルダガー賞最終候補作、世界のミステリ界をリードする著者が現代社会の問題にメスを入れた、シリーズ第5弾。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

アイスランド発の人気ミステリシリーズ邦訳最新。幼い頃に弟と吹雪に巻き込まれ自分だけが生還ししかも弟の死体は結局見つからずじまい…というトラウマを抱えた刑事が主人公のこのシリーズ。本作ではタイ人の母親とアイスランド人の父親の間に生まれた子供の死体が発見される。タイ人でアイスランドに馴染めない異父兄も同時に行方が分からなくなっており、更には兄弟が通う学校には移民排斥を声高に叫ぶ教師もいて、という状況。意思疎通がなかなかうまくいかない被害者家族や兄弟が通っていた学校の子供たちなど扱いが難しい関係者に対する主人公たちの地道な捜査が淡々と描かれている。スリリングなところは皆無で聞き込みを重ねながら、という感じの作品で陰鬱な事件、そして救いのない展開なのだけど面白かった。早くも次作が楽しみ。

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