越境者

創元推理文庫

C・J・ボックス / 野口 百合子

2021年6月30日

東京創元社

1,430円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

猟区管理官の職を辞したジョーは、知事の意向で現場に復帰していた。新たな任務として、大製薬会社の跡取りであるスコギンズ失踪事件の調査を始める。彼は暗殺業を営んでいると思しきテンプルトンの標的にされた可能性があった。さらにスコギンズ失踪当時、ジョーの友人のネイトらしき男が現場近くで目撃されていた。ジョーはFBIと協力し、現地へ赴くが……。盟友ネイトと敵対!? 大人気冒険サスペンス、猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ最新作!

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

邦訳が出るたびに読んでいるミステリのシリーズももう14作目とか。アメリカのど田舎ワイオミング州で猟区管理官を勤める主人公。本来は密猟を取り締まりにあたっているのだがトラブルに巻き込まれやすいというか自分から首を突っ込んでしまうというか…なので上司と地元警察との仲はすこぶる悪い。しかしながら型破りな知事に気に入られており確か何度目かになると思うのだけど前作で辞めた職にまた復帰している。密猟を取り締まるのが主な仕事のくせに銃の扱いが下手で突出した能力があるわけでもないのだが「田舎を踏み台に都会で出世しようと思っていない」FBIの支局長、やり手の妻とかなり凄腕の戦闘能力を持つ謎の鷹匠、達の力を借りつつ持ち前の正義感と粘り強さでに事件に対処している様が共感を得ているのだと思う。毎回思うのだけど地方を舞台にしたことによって自然破壊や代替エネルギー、カルト集団など都会を舞台にするよりも幅広いテーマを盛り込めており上手いな、と思う。本作では知事の特命を受けて州内でも特に辺境に派遣されることになる。過疎化が止まらない街に都会から移り住んできた富豪がおり街はほぼ彼の王国のようになっている。偵察に赴いた犯罪捜査官が不審な死を遂げたことから主人公にちょっと現地の様子を見てこい、と言われてのことなのだがそこは主人公。おとなしく偽装に留まるわけもなく…ということで今回も強大な敵と相対する主人公、鷹匠だったり過去の因縁の相手も登場し今回も緊迫感溢れる仕上がりとなっている。また本シリーズでは主人公の家庭問題も上手く盛り込まれているのだが里子で問題児の次女がまたもやらかして…というところで次作をお楽しみに!という終わり方になっている。このところこのシリーズは完結しつつも次作への伏線をチラ見せする形で終わっておりまたも作者の術中にはまってしまい次が楽しみでならなくなっている。大変だけどできれば最初から読んでほしいシリーズ、おすすめです。

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