自由研究には向かない殺人

主人公のキャラ、好きだなー。 デジタルの情報収集、スーパーハッカーがセキュリティを次々突破していくみたいなことはなく、普通の高校生が普通のスキルで情報を集めていく。デジタルネイティブ世代が行動力と勇気を持つとこういう感じかー。勇気というか無謀、かな。 それだけじゃなく、対面でインタビューして相手の表情読んだりしてる。 アナログな情報収集もバッチリ。 明るく賢く心優しく、ええ子やー。 次回作も是非読みたいなー。

女子高生のビップが調べてゆくのが、自分が一緒に謎を探っているような気持ちになる。 知らず知らずに頑張れと言ってしまう。

おもしろかった！犬好きとしては後半の犬のくだりが辛かったけど、それを差し引いて余りあるいい作品だった。 凄惨な事件、陰鬱な背景ではあるものの読み心地は明るい印象。平穏な日常が脅かされながらも、真相を明らかにしよう、公平であろうとするピップのひたむきさが魅力的。 探偵でも警察でも記者でもないピップがSNSを駆使して真相に近づいていく様がデジタルネイティブという感じでおもしろい。行動力もあり頭の回転も速い主人公なので読んでいてストレスがほぼない。 個人宅でのパーティや友人たちとの掛け合い、裏で蔓延るドラッグなど、日本とは異なる生活が垣間見えるのも新鮮で良い。 三部作のようなので続編も楽しみに読みたいと思う。

文庫ジャケット裏にある通り「ひたむきな主人公の姿が胸を打つ」そのもの。

イギリスの大学入試のシステムがわからないとピンとこない部分もある。 アメリカ小説とは違った雰囲気のミステリーで面白かった。 それと同時に人種差別や女性差別が描かれており、イギリス特有のレイシズムを垣間見ることができた。 主人公のピップは頭脳明晰、友人思いで素敵な女の子。ケンブリッジ大学の入試と並行して、5年前に起こった行方不明事件を探る。真犯人からの脅迫もあるなかで、ピップは頑張る。 陰惨な部分もあるが、人間の温かい部分、愛ある部分も描いた作品。 シリーズではあと2作品があるらしい。 ゲットせねば。

主人公が自由研究を隠れ蓑に、5年前に街で起きた事件の真相に迫るミステリ小説。 FacebookやFind my friendsなどの現代的なアプリを駆使して手がかりを追っていくさまが目新しい。少しだけ、雨穴作品を連想した。 不気味な雨穴作品とは異なり、こちらは終止明るい雰囲気が漂っている。それは、この作品が徹頭徹尾主人公視点で描かれているからである。主人公は賢く、明るく、そして少し無謀な勇敢な少女。あえて似た人物を挙げるならハーマイオニー・グレンジャーのような女の子。読み進めていくうちに気付けば彼女に惹かれ、応援し、ページをめくる手が止まらなくなっていた。