薔薇の血潮(上)

創元推理文庫

タニス・リー / 市田泉

2013年7月21日

東京創元社

1,320円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

安らかにまどろむ領主の息子を、怪異が襲った。黒い花の如き蛾が、幼子の体を持ち上げて天井から放り出したのだ。重傷を負い片腕がきかぬまま彼は二十一歳になった。領主の後継ぎゆえに、敵対する家の捕虜を殺さねばならない。古の異教の儀式。だが彼の前に、巧妙な罠が待ち構えていた。幾重にも重なる幻惑と変化。闇の女王タニス・リーの精髄。ダークファンタジーの大作登場。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2021年11月20日

 異教とキリスト教が渾然一体となった西欧中世を思わせる世界を舞台とした、怪異と妖異に満ちたダーク・ファンタジー。  タニス・リーのすごいところは、表現が詩的文学的でありながら、なおかつエンターテインメント性を残している点にあると思う。修飾と比喩の多いイメージ豊かな文章なのに難解ではなく、娯楽作品としても充分に楽しめる。  人狼譚かつ吸血鬼譚的。血と薔薇、侏儒に天使に魔女。そして死と復活。タニス・リーのすべてが凝集された怪しくも美しい幻想世界。薄々思っていたのだけれども、やはりこの方の作品は90年代前半くらいまでのが最高に面白いと思う(SFは基本的に読みません)。  素晴らしすぎる作品に出会うと、溜息しか出てきませんね。耽美とはこういう作品をいうのだと言葉の意味をじっくりと噛み締めました。

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あめさと

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2021年07月10日

 異教とキリスト教が渾然一体となった西欧中世を思わせる世界を舞台とした、怪異と妖異に満ちたダーク・ファンタジー。  タニス・リーのすごいところは、表現が詩的文学的でありながら、なおかつエンターテインメント性を残している点にあると思う。修飾と比喩の多いイメージ豊かな文章なのに難解ではなく、娯楽作品としても充分に楽しめる。  人狼譚かつ吸血鬼譚的。血と薔薇、侏儒に天使に魔女。そして死と復活。タニス・リーのすべてが凝集された怪しくも美しい幻想世界。薄々思っていたのだけれども、やはりこの方の作品は90年代前半くらいまでのが最高に面白いと思う(SFは基本的に読みません)。  素晴らしすぎる作品に出会うと、溜息しか出てきませんね。耽美とはこういう作品をいうのだと言葉の意味をじっくりと噛み締めました。

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