頑張るナース・対人援助職のための“読む”こころのサプリ

宇野 さつき

2020年2月15日

南江堂

1,980円(税込)

医学・薬学・看護学・歯科学

「バタバタと忙しくて疲れている」「一生懸命に関わっているのに,相手に拒否された」「部下,スタッフをうまく育てたい」…本書では,あなたの症状にピッタリなサプリメント(実践的なワーク)を紹介.仕事,子育て,対人関係,キャリアアップに悩みながら頑張るナース・対人援助職の“こころの健康”をサポートします.よりよい人間関係づくり,ワークライフバランスの向上,モチベーションアップによく効く「サプリ」です. 【書評】  全頁をあっという間に読み終えた.本書は「ケアするものが心身ともによい状態でなければ,よいケアやかかわりはできない」と痛感してきたキャリア30 年の著者が,自分自身を大切にするための対処法や考え方を学び,実際に取り入れみてよかった! と思ったノウハウ(こころのサプリ)だけが凝縮してまとめられた実用書である.  私のおすすめポイントは3つ.  1つ目は,選択的に読めるところである.本書は大きく3 つの問診,1“ありのままの自分,大切にしていますか?”,2“ 人間関係, うまくいっていますか?”,3“仕事や生活,楽しめていますか?”に分かれている.そして,問診別に改善したい状態や悩ましい課題が 32 項目(例:頑張りたくてもエンジンがかからない,タスクが山積みで余裕がないetc.).それに対するサプリが処方されているため,今の心の状態にあてはまるサプリのページだけピックアップして読むことができる(とはいえ,過去の心の状態も含めると,32 項目すべてに思い当たる節があるという読者が多いだろう).  2つ目は自分自身を大切にするためのノウハウがシンプルなところである.1ページ前後のインストラクションは,「ちょっとやってみよう」とすぐに試せるものばかり.シンプルではあるものの,実はその多くがマインドフルネス,アドラー心理学,コーチング,脳科学,行動心理学,瞑想など,多彩かつ学際的な知識背景を拠り所としており,本書の信頼性を高めている.  3つ目は,本書のサプリは自分のために活用できるとともに,行き詰っている同僚や後輩をサポートすることにも応用できる点である.部署や訪問看護ステーション単位で取り入れ,他者を支え続けるために自分自身を大切にする気運をスタッフ全員で作り上げていくのもよいかもしれない.  ウィットに富んだタイトル,堅苦しくない装丁,ユニークな挿絵,軽くてA5判というコンパクトさ,“思うようにいかないことってあるよね”とそっと寄り添ってくれるような文体は,元気がないときでも読みやすいように……という配慮と工夫が感じられる.頑張るナースをエンパワメントしてくれる1冊.あなたはどのサプリから試してみますか? がん看護25巻6号(2020年7-8月号)より転載 評者●海津未希子(在宅療養支援診療所みその生活支援クリニック/がん看護専門看護師)

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