ハロウィンに消えた

日経エコノミステリー

佐々木譲

1991年9月30日

日経BPM(日本経済新聞出版本部)

1,494円(税込)

小説・エッセイ

「トリック・オア・トリート」(いたずらがいいか、もてなすか)-ハロウィンの日子供たちはこう言って家々を回ってはお菓子をせしめる。シカゴ郊外の町・パクストン。ここでも仮装した子供たちが家家を訪れる光景が見られた。そんななか、ひとりの日本人の少年が消えた。少年の恰好は、この年、子供たちの間で大人気の「ミュータント・タートル」。誘拐?事故?この町のオルネイ社を買収した日本企業クラタは、その差別的なやり方で米国人従業員ばかりでなく、町中に様々な波紋を呼び起こしていた。少年の父親が勤めるこの企業には、すでに何通かの脅迫状が届けられ、その工場では不審火が起きていた。はたして少年の失踪は、日本企業への恨みからなのか?

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