
等伯(上)
安部龍太郎
2012年9月30日
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
1,760円(税込)
小説・エッセイ
「あなたの絵には真心がある」。養父母の非業の死により故郷を追われ、戦のただなかへ。激動の戦国の世と法華の教えが、画境を高みに誘う。長谷川「等伯」の誕生を骨太に描く傑作長篇。
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本書は、安土桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯の生涯を描いた物語です。物語は33歳等伯が絵仏師から絵師を志すところから始まります。妻子を寺に預け、京を目指す途中、信長の比叡山延暦寺の焼き打ちに遭遇します。等伯が幼子を抱えて逃げてきた僧を助けたことで、後々まで織田軍に追われる身となるのでした。助けた子供は関白近衛前久の子であり、僧は後に京都所司代となる前田玄以だったのです。逃亡生活の途中で妻は病死し、本能寺で信長が敗れてからは、洛中で自由に絵を描くことが出来る身となるのでした。 著者は日蓮宗の信仰を持っているのでしょうか、本書では法華宗に肩入れした描き方がなされます。例えば安土宗論が描かれていますが、これは浄土宗と法華宗の問答です。織田信長の命により、浄土宗の僧貞安・霊誉等と、法華僧日珖・日諦・日淵らの間で行われた宗教論争です。本書では日蓮宗側に立った記述がなされていますが、史実に照らしてみると、果たしてどうかなと思えますね。また、織田信長を第六天の魔王に比肩して描いています。第六天の魔王と言えば、仏教ではこれ以上ないくらいの悪人です。地獄界や我々のいる人間界が欲界ですが、その欲界を支配しているのが「第六天魔王」です。信長は、この異名を嫌ってなかったようで、信玄からの書状に自ら第六天魔王、と自称しています。
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