ファミレス
重松清
2013年7月31日
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
1,870円(税込)
小説・エッセイ / ビジネス・経済・就職
妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち“新婚”に。3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは?夫婦、親子、友人…人と人とのつながりを、メシをつくって食べることを通して、コメディータッチで描き出した最新長篇。
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(無題)
重松清の小説は家族を扱ったものが多く、日常を延々と描き続けます。本書は50歳を間近にした夫婦ってどんなもんだろうか、そんな事を考えさせられる作品だと思われます。そんな年頃の3組の夫婦が登場します。 順に紹介しますと、先ずは世間一般から見て一番まっとうなのが中学教師の陽平です。2人の子供が独立した今、趣味の料理を楽しみながら、妻とのこれからの生活を謳歌しようと思っていたところ、ある日偶然にも妻の本棚の本に挟まれた署名捺印済みの離婚届を発見して愕然とします。一博は大手出版社のやり手編集長として、公私ともにお洒落なオヤジです。妻・桜子との間に子どもはいなく、気ままな夫婦生活を送っていましたが、桜子は実家の京都の母の看病に戻ったきりで、もう4年ほど事実上の別居状態です。実家の総菜屋を継いだ康文はバツイチ。今は17歳も年下の妻と再婚し、妻の連れ子ともうまくやりながら幸せに暮らしています。こんな凸凹3人組が料理を通じて交流する物語です。 人間50年も生きれば、積み重ねてきたものが違いますから、境遇に様々な違いが出てきます。彼ら3人は、3人それぞれに新たな問題を抱え込んでドラマは進行していきます。まず、陽平は、教え子のドンこと井上の運命に深く寄り添うことを余儀なくされます。ドンの父親はベトナムに単身赴任中、母が不倫ドライブ中に交通事故に遭い入院、父方の祖母が同居して生活の面倒を見ますが、上から目線の小言屋です。陽平はドンに料理、いや料理と呼べないほどの卵かけ御飯やゆで卵といった簡単な料理を教えることで応援します。 また一博は、ヒョンなことから料理教室のエリカ先生と臨月の娘・ひなたを居候させることになります。ひなたはお腹の子の父であるコージー・マッケンジーこと小島健次に愛想をつかしてシングルマザーとして生きることを決意しています。やがて子供が生まれ、そんなところへ別居中の妻が帰って来ることになり慌てます。さらに、康文が抱え込んだのは、ひなたに復縁を迫るも愛想づかれされたコージーです。コージーを料理人として鍛えるつもりなんです。 本作は普通の人の日常が淡々と綴られたもので、特に日常の食事の素晴らしさが強調されます。その事に気づけば人生がより楽しくなるんですね。人生に正解はありませんが、正しさよりも優しさに満ちたものでありたいと思うところです。
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(無題)
やっぱり、「食べる」って大切。
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