
「上から目線」の構造
日経プレミアシリーズ
榎本博明
2011年10月31日
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
935円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会 / 新書
目上の人を平気で「できていない」と批判する若手社員、駅や飲食店で威張り散らす中高年から、「自分はこんなものではない」と根拠のない自信を持つ若者までーなぜ「上から」なのか。なぜ「上から」が気になるのか。心理学的な見地から、そのメカニズムを徹底的に解剖する。
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(無題)
私は最近、身辺でうっかりミスが多くなっています。大事なものを確かにしまったのだけれど、どこにしまったのか分からなくなって、散々探した挙句、とんでもないところからでてきたりするんですね。「年を取るとしょうがありませんね」などというのですが、それを聞いている周りの若い人は黙っています。本当は「そんな事はありませんよ。お若いですよ」との言葉を期待しているんですが、ここのところトンとそんな言葉をかけてもらった事はありません。読書好きの人なら必ず経験していると思うのですが、途中まで読んで「あれ、この本、前に読んだよ」というのも多いです。実は昨日それをやってしまい、最後まで読んでおまけにレビューまで書いてしまったのです。そんな事をなくそうと思って読んだ本の備忘録としてブクレコを使った筈なのに、なにおかいわんやです。 さて、本書ですが、経験を積んだ上司やベテランからのアドバイスや指示、あるいは注意が、上からなのは当然だと思いますが、それさえも平然と非難する若い人がいるそうです。そんな上から目線の心理構造を解剖しようというのが本書の目論見です。 市場経済では、役に立つ商品に価値があるのではなく、売れる商品が価値があるという事になっています。心理学者のフロムは、これと同じように自分自身を商品とみなし、自己の価値を交換価値として体験する事が増えて自分の市場的価値を高めようとする動きが急速に育ちつつあると指摘したんです。現代人は、まるで人気商売のように、人から認められ好感を持たれることを求めるようになったというんですね また、世の中を勝ち負けの図式で見る傾向のある人は、人間関係も上下の図式で見ようとします。自分が勝っている、優位に立っていると思えればよいのですが、そうでないとき、このタイプは不安を強め、何とか優位に立っているかのように見せかけたいと思い、尊大なポーズをとります。自信がないため、人からどう見られるかがやたらと気になるのです。人の視線を過剰に意識し、尊大な態度で自分の力を誇示しようとします。 ところで、中高年層からすると、若者の態度や行動は理解できないという声が強いですね。逆に、若い世代からは、上の世代の強引さを鬱陶しがる声があがります。このようなジェネレーションギャップは、どうして生じるのでしょうか。どうやら「上から目線」の正体が、実は父性にある事が原因のようです。母性は「そのままの君でいい」と全てを受け止めるところに特徴があります。しかし、こらは緊急避難的に受け入れるのであって、いつまでもそのままであっては、本人は成長しません。要は父性と母性のバランスの問題であって、現代の若者は母性にくるまれて育つ機会が多かったため、父性の厳しさには必要以上の過敏な反応を示すようです。
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