いま中国人は何を考えているのか
日経プレミアシリーズ
加藤嘉一
2012年2月29日
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
935円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会 / 新書
日本人が抱く中国人のイメージは、その実像と大きくかけ離れる。「なぜスタバにショートサイズがないのか」「反日デモをする本当の理由とは」…。日中をまたにかけ活躍する著者が、現地での実体験から、中国人の意外な国民性、ものの考え方を詳しく紹介する。
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(無題)
中国の人はとにかく「南京大虐殺30万」にこだわりますね。それは時として日本人には辟易させられんほどなのは、皆さん感じておられる通りです。家庭内で、学校でそう教えられている事もありますが、1番の理由は、もし、これと違う立場を取ると中国では「政治的に不合格」になり、 生きてられなくなってしまうからなんです。ですから、中国人にとって、歴史認識とは「保身」の意味も含んでいるのです。中国人にとって、南京や自国史(たとえば文化大革命、天安門事件)を含めた「歴史観」とは、我々日本人のように歴史にどう向き合うかではないんですね。むしろ、今をどう生き抜くかということなんです。ここを理解しないと、我々日本人は中国人とまともにコミュニケーションをとることはできないという事は、まず覚えておいた方がいいでしょう。 その上で、今の中国はネット社会であるということがあります。今現在、5億人を超えるネットユーザーがいるそうです。ですから、政府はネットの威力を無視することができず、共産党を批判するような内容については監視の目を光らせています。ネットの監視については、国務院新聞弁公室ネット宣伝管理局、中共中央宣伝部輿論事情情報局、国務院新聞弁公室ネット研究センター輿論事情処、中共中央宣伝部ネット局がその任に当たっています。その他、公安部や国家安全部も独自のネット管理機能を備えているとそうですから、監視社会ですね。一方で、海外のメディアへのアクセスをすべて禁止することはできませんので、若者を中心に海外の情報を英語で入手することも可能になってきています。 こんな環境の中では、政府はいかに規制を強化しても一部の政策については、人民の声を無視することができなくなってきているようです。選挙がないからといって、当局が民意に配慮しないという時代は過去のものとなったということでしょうね。 また、社会体制の違いから、民主主義の原則として日本人の間では常識であることが、中国人には通じないことがあることも知っておいた方が良いデスね。例えば政治的な話題を議論せざるを得ないような場合には、日本には独立した司法体制があるということを、中国人に理解してもらわなければならないという事があります。中国では政治や外交が司法に優先して処理されることが多いのですが、日本ではそうはいかないという点は、きちんと説明しないと理解されないようです。 さて、政治・経済体制として、イデオロギー的に対立していたものを『社会主義市場経済』といういう形で結合させたモデルを公に掲げる中国ですが、その行方はこれまでのように順風満帆といかないようです。かつては低賃金の農民工を無尽蔵に調達できると思っていましたが、如何に13億の民を擁する中国と言えども今や市場経済の発達原理通り労働市場は売り手市場に転換しました。尖閣諸島問題で日系企業の打ちこわしや略奪が起これば、外資は嫌気して資本を引き上げかねません。この国はこれから先どうなって行くのでしょうか?。
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(無題)
著者は北京大学で教鞭をとって現地では結構有名な人物らしい。特別珍しいことも書いてないが、中国人との交流を踏まえた体験談は説得力がある。
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