洪水と水害をとらえなおす

自然観の転換と川との共生

大熊 孝

2020年5月28日

農山漁村文化協会

2,970円(税込)

科学・技術

河川工学の泰斗が、日本人の伝統的な自然観に迫りつつ、今日頻発する水害の実態と今後の治水のあり方について論じ、ローカルな自然に根ざした自然観の再生と川との共生を展望する。大熊河川工学集大成の書。 1 私は川と自然をどう見てきたのか 第1章 日本人の伝統的自然観・災害観とは 第2章 近代化のなかで失われた伝統的自然観 第3章 小出博の災害観と技術の三段階 予備知識・川の専門用語  番外・水害調査心得   2 水害の現在と治水のあり方 第4章 近年の水害と現代治水の到達点 │1│2004年7月 新潟水害と福井水害  │2│2011年9月 台風 12 号による紀伊半島・相野谷川水害 │3│2015年9月 利根川水系鬼怒川の破堤  │4│2016年8月 岩手県小本川水害  │5│2018年7月 岡山県倉敷・小田川水害  │6│2019年 10 月 台風 19 号広域水害 │7│現代の治水計画における問題点  │8│ダムは水害を克服できたか?  │9│ダム計画の中止とダムの撤去工事について 第5章 究極の治水体系は400年前にあるーー堤防の越流のさせ方で被害は変わる │1│信玄堤は本当に信玄が築いたのか? │2│筑後川右支川・城原川の“野越”  │3│加藤清正の「轡塘」  │4│桂離宮の水害防御策  │5│信濃川左支川・渋海川(長岡市)の事例  │6│近世における利根川治水体系  第6章 今後の治水のあり方 --越流しても破堤しにくい堤防に │1│現代の治水問題  │2│治水問題の解決は越流しても破堤しにくい堤防にある │3│堤防余裕高に食い込んで洪水を流す  │4│今後求められる堤防のあり方ーースーパー堤防に関する補足を兼ねて  3 新潟から考える川と自然の未来 第7章 民衆の自然観の復活に向けてーー自然への感性と知性をみがく │1│ボランティア活動の限界ーーNPO法人新潟水辺の会の取組みから │2│水辺との共生を次世代に継承するためには  第8章 自然と共生する都市の復活についてーー新潟市の「ラムサール条約湿地都市認証」への期待 │1│都市における「自然との共生」の試み │2│越後平野の開発の変遷 │3│越後平野の自然復元の兆し │4│越後平野全域をラムサール条約“湿地都市”にーー「都市の自然観」の創造に向けて  │5│「社会的共通資本」としての川・自然環境と「都市の自然観」

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