ムシェ 小さな英雄の物語

エクス・リブリス

キルメン・ウリベ / 金子奈美

2015年10月18日

白水社

2,530円(税込)

小説・エッセイ

スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

前作「ビルバオ・ニューヨーク・ビルバオ」が良かったバスクの作家の第二作。スペインとフランスの間にあって独自の言語と文化を維持するバスク地方はスペイン内戦の際に共和国側についた結果、民族の悲願に一歩近づく自治州の地位を手に入れる。その結果…ファシスト側の攻撃対象となりヒトラーやムッソリーニの手助けを得たフランコの攻撃対象となりかの有名なピカソの名作を生み出すことになった。本作ではファシストの空爆を受けて2万人のバスクの子どもたちが欧州のいろんな国に疎開した史実をテーマとしている。三部構成で、一部は主に疎開する子どもについて、二部は受け入れたベルギーの里親が対ナチスのレジスタンスに身を投じた結果、悲劇的な最期を遂げる様、三部でそのまとめ、という流れになっている。疎開した子どもと里親の交流については最小限に抑えられており、それぞれを淡々と描くことで逆に当時の理不尽さを浮き彫りにする形となっている。楽しいテーマではないが興味深く読ませる作品だった。

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