三月の5日間[リクリエイテッド版]

岡田 利規

2017年11月26日

白水社

2,200円(税込)

人文・思想・社会

分断された時代の〈リアル〉とたたかうための寓話集  イラク戦争開戦前夜、六本木のライブハウスで出会った男女二人が、反戦デモの喧しい三月末の渋谷で、ラブホに4泊5日して戦争をやり過ごす。そして、二人から話を聞かされた者らは、入れ替わり立ち代わりそれらの出来事を語ってゆくーーチェルフィッチュの代表作「三月の5日間」が、新たなる時代の若者のために生まれ変わった! あざやかなフレーズは色あせることなく、あの画期的な文体もよりユニバーサルに更新されて(オリジナル版は男五人・女二人、リクリエイテッド版は男二人・女五人で演じられる)。  表題作のほか、カフェにひとり座る女というありふれた都市の光景が周囲を脅かしうる場へと一転する「あなたが彼女にしてあげられることは何もない」、震災後にたしかに存在した微かな希望の行方を幽霊が執拗に問い続ける「部屋に流れる時間の旅」、日米韓をめぐるいびつな関係が野球を通じて浮かび上がる「God Bless Baseball」を同時収録。  分断された時代を生きるなかで遭遇する〈リアル〉の脅威に一人ひとりが抗ってゆくために、「わからないんだとしたら、想像しよう」と真摯に呼びかける、アレゴリックな戯曲集。

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