トマス・ペイン
『コモン・センス』と革命家の生涯
ハーロー・ジャイルズ・アンガー / 森本 奈理
2023年1月31日
白水社
5,280円(税込)
人文・思想・社会
人間の魂が試される時代、理性を信奉した革命家。 トマス・ペイン(1737-1809)は、大ベストセラー冊子『コモン・センス』『人間の権利』の著作で知られ、二大民主革命(アメリカ独立革命とフランス革命)に大いに寄与した、英国出身の革命思想家だ。ペインの思想は明確で、独立派に勇気を与え、庶民にも受け入れられた。フランス革命期には渡仏して議員として活動、恐怖政治下で投獄もされた。 ペインが訴えた社会改革は、君主制や奴隷制の廃止、格差の是正、義務教育、妊婦の保護など、現代に通じるものだった。 〈生まれが変われば権利や特権も変わるということが神話にすぎないとペインの言葉は暴露した。さらに、その言葉は革命的な新概念を人々の心に植えつけた。それは人が生まれながらに平等だという概念である〉(本書「イントロダクション」より)。 18世紀最大のベストセラー作家にして、哲学者や発明家としての顔も持つトマス・ペインは、人間の魂が試される時代において、英米仏の宗教や政治といかに闘争したか。理性を信奉した「祖国なき革命家」、その全貌に迫る傑作評伝! 付録:主要著作年譜、『理性の時代』目次と梗概。図版多数。 図版一覧 謝辞 年表 イントロダクション 第1章 ペインの嘆き 第2章 『コモン・センス』 第3章 人間の魂が試される時代 第4章 アメリカの危機 第5章 哀れなペインにしてやれることはないのか? 第6章 金や銀は貨幣だが紙幣はただの紙切れだ 第7章 市民ペイン 第8章 二都物語 第9章 恐怖政治 第10章 宗教の名の下に 第11章 ワシントンへの手紙 第12章 堕ちた偶像 第13章 専制政治からの人類の救出 第14章 アメリカ帝国が滅ぶ際 付録A トマス・ペインの主要著作一覧 付録B 『理性の時代』目次と梗概 訳者あとがき 索引/注記/原注/文献一覧
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