
房思キ(ファンスーチー)の初恋の楽園
林奕含 / 泉 京鹿
2019年10月25日
白水社
2,200円(税込)
小説・エッセイ
台湾社会を震撼させた、実話にもとづく傑作 著者は1991年生まれの女性作家。デビュー作である本書に「実話を基にした小説である」と記したことから、著者の実体験なのではと大騒ぎとなった。刊行2か月後に著者が自殺。台湾社会を激震させた。 文学好きな房思キと劉怡婷は高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。そして異常な愛を強いられる関係が続くことになってしまう。房思キの心身はしだいに壊れていく。劉怡婷は、房思キが記した日記を見つけ、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知る……。 一方、同じマンションの最上階の裕福な家庭に嫁いだ20代の女性・伊紋の物語も同時に描かれる。伊紋は少女2人によく本を読んであげていた。だが実は夫からのDVに悩み、少女らに文学を語ることが救いとなっていたのだ。 人も羨む高級マンションの住民たちの実情を少女の純粋で繊細な感性によって捉えることで、社会全体の構造的な問題が浮かび上がってくる。過度な学歴社会、格差社会、権力主義の背後にある大人の偽善、隠蔽体質……。なぜ少女の心の声を大人が気づけなかったのか。文学の力とは何か。多くの問いを投げかける。
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