熊野神と仏

植島啓司 / 九鬼家隆

2009年9月30日

原書房

2,200円(税込)

人文・思想・社会

気鋭の第一人者が「聖なる地」と日本人の宗教を語り合う!世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の謎をとく。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

たまたま飲み会で「面白いよ」と耳に挟んだ宗教学者の作品。いきなり論考みたいなのは重そうだったので熊野の宮司さんと金峯山寺の執行長さんとの鼎談、かつ個人的に吉野がルーツということもあってこのタイトルを手にとってみたのだが正解だった。どうやら「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録された時に出されたものらしい。あまり深く考えたことがなかったのだが、修験道の吉野、仏教の高野山、神道の熊野と異なる宗教を繋ぐ道がある、ということ自体世界的には珍しいし、現に修験者は吉野の金峯山寺から古道を伝って自分たちの聖地である大峰山に至り最終的に熊野に詣る(逆のルートもあるのだがそちらのほうが険しいので廃れてしまったらしい)ということをしている。これを日本人特有のいい加減な無宗教、と捉えるのではなく、異なる宗教の融和、という観点でむしろ世界平和にも貢献できる素晴らしい文化である、と論じる内容となっている。内容の是非はともかく(個人的には一つの神を祈るだけが宗教とは思わないのでここで書かれている内容に賛成だが)熊野古道に対する関心を高める効果はあったようでいつか自分でも踏破してみたい、と思ってしまった…。良い作品でした。

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