
風神雷神 Juppiter、Aeolus(下)
原田 マハ
2019年10月31日
PHP研究所
1,980円(税込)
小説・エッセイ
「謎多き琳派の祖、俵屋宗達×バロックの巨匠、カラバッジョ」 ーー雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)が結んだ縁が、ここに完結!! 織田信長の命を受け、狩野永徳による傑作『洛中洛外図屏風』をローマ法王に届けるため、天正遣欧少年使節ともにヴァチカンへの旅に出た俵屋宗達。嵐や日照りなど、幾たびも降りかかる試練をかいくぐりながら、一行はついにヨーロッパの地にたどり着く。そこで、宗達を待ち受けていたものは、輝かしい西洋美術の数々、スペイン国王をはじめとする高貴なる人々、そしてもう一人の天才絵師との出会いだったーー。 その絆が、その想いが、傑作を生み出す! アート小説の旗手・原田マハが描く、一気読み必至の感動巨編。
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東京の代表的観光名所・浅草の浅草寺。誰もが知っている「雷門」と書かれた赤い大提灯は、浅草寺の総門である。雷門は創建以来、幾度も焼失と再建を繰り返している。現在のものは、昭和35年に松下電器産業社長・松下幸之助の寄進により、再建されたものである。だから、大提灯の下には「松下電器」と記されている。それほど有名な大提灯の両脇に安置された彫像を私たちは見過していないだろうか。これこそが風神、雷神像なのである。風神・雷神は、天候をつかさどる神さまである。元々雷門はこの二神の名前から「風雷神門」と呼ばれていたが、いつの頃からか雷門と呼ばれるようになったのである。 紀元前5世紀頃に古代インドで興った仏教は、アショーカ大王の庇護のもとインド周辺の国々に広がって行った。その後、経典の整備や仏像の出現で仏教の東方への伝播が急速に進むのだった。そして、中国で成熟した仏教は、朝鮮半島を経て6世紀半ばに日本へともたらされた。この間、仏教は各地の民族宗教と一体化しながら展開されていったのだった。仏教発祥時からしてバラモン教の神々が取り入れられている。例えば「帝釈天で産湯を使い」との寅さんの仁義で有名な帝釈天。これはバラモンのシヴァ神である。私達に身近な弁才天(弁天さま)は、サラスヴァティーである。因みに恵比須天、大黒天、毘沙門天、弁財天、寿老人、福禄寿、布袋尊の七福神であるが、大黒天、毘沙門天、弁財天は、インド(ヒンドゥー教)、寿老人と福禄寿は中国(道教)の神で日本由来(神道)の神は恵比須天だけである。 それでは、問題の風神雷神である。 この神様がローマ神話のユピテル、アイオロス由来であろうとの仮説に立って紡ぎ出されたのが本作である。無論、学説として確立されたものではない。しかし、この仮説に基づいて編まれた物語は実に芳醇なものがある。
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