きたきた捕物帖
宮部 みゆき
2020年6月1日
PHP研究所
1,760円(税込)
小説・エッセイ
江戸は深川、二人の「きたさん」が事件を通して成長していく。謎解き×怪異×人情、新シリーズ始動!
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(無題)
宮部みゆきの時代小説と聞けば、それだけで期待が高まるというものだ。新シリーズと謳っているのだから、どのようなヒーローが登場するのか、ページを繰る手さえもどかしく思えるほどだ。ところが、読者の期待は巻頭から裏切られる事になる。町内の人望厚い男前の千吉親分が、あろうことか河豚の毒に当たって死んでしまうのだ。持ち前の推理力と胆力、行動力で事件を立ち所に解決する捕物帖のイメージがのっけから瓦解してしまうというものだ。親分亡き後、この物語はどうやら子分の中でもミソッカスの北一を中心に展開していくようだ。いや、むしろ亡くなった千吉親分と同心の沢井の旦那の間では、そんな約束ができていたようだ。2人は北一の人柄と度量を見抜いていたようだ。しかし、それでは収まらないのが、兄貴分達だ。そこで、一計を案じて「あと目相続はしない」と宣言したのであろう。そんな頼りない北一を将来の大親分へと育て上げるには、しっかりとした後見が必要になる。先ずは何と言っても千吉親分のおかみさん・松葉。目がみえないぶん、匂いや気配で様々なことを察知することができる。推理力抜群で、事件の核心を突く。次いで、勘右衛門。深川一帯の貸家や長屋の差配人で通称「富勘」。顔の広さと世間知で北一をバックアップ。この先北一とコンビを組むことになる喜多次。阿呆のフリをして長命湯の釜焚きで身過ぎ世過ぎを立てるが、実は正体不明の怪人。影働きで事件を解決に導く。そして通称「欅屋敷」の用人・青海新兵衛。武士の身分でありながら北一と同等の付き合いをする。このシリーズ、先行きが楽しみである。
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ケムケム
今はまだ頼りない若者の成長物語。次作が待ち遠しい!
一般的な捕物帖のように、働き盛りのバリバリ十手持ちが主人公ではなく、十代の若者が四苦八苦しながら人間的に成長していく物語。 一方で、目が不自由だけれど世事に長けたおかみさんのカッコよさに震えた。 これからこのシリーズ作品がたくさん出版されると嬉しい。
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