
消えた郵便配達人
双葉文庫
草野唯雄
1987年1月31日
双葉社
512円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
バーン、と鼓膜の潰れるような音がした。調剤室の中で立ちすくんだ小藤洋子は床に突っ伏した。足音とドアの開閉する音。賊は何もとらずに逃走したらしい。おそるおそる立ち上がった洋子は、巡回の途中で立ち寄った原尾部長刑事が胸を撃たれているのを見た。そのとき、スイングドアを押して開けて入って来たのは、顔馴染みの郵便配達人であった。
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