銀行仕置人
双葉文庫
池井戸潤
2008年1月31日
双葉社
701円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
通称“座敷牢”。関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。五百億円もの巨額融資が焦げ付き、黒部はその責任を一身に負わされた格好で、エリートコースから外された。やがて黒部は、自分を罠に嵌めた一派の存在と、その陰謀に気付く。嘆いていても始まらない。身内の不正を暴くことーそれしか復権への道はない。メガバンクの巨悪にひとり立ち向かう、孤独な復讐劇が始まった。
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仕置人の仕事ぶりは、思わず拍手喝采を送りたくなるほど小気味いい。仕置人の名は黒部、住まいは座敷牢。仕置人の仕置の仕方は、支店への臨店指導の形を取る。支店行員たちと面談する中で、支店に蔓延る腐った体制をえぐり出して仕置きしていく。悩む行員の良き相談相手として、支店長始め、支店経営陣に真っ向から対決を挑んでいく。 関東シティ銀行の本店で営業第三部の次長として働いていた黒部。本店の次長は支店では支店長に当たるほどの地位で、エリートコースのど真ん中だ。巨額の融資が焦げ付いた責任を1人で負わされ、左遷されてしまう。座敷牢と呼ばれる窓も電話もないような狭い場所に1人入れられ、そこで黒部に与えられた仕事は名簿の修正だった。絶望と屈辱の毎日を送っていたある日、思いもかけず人事部長から呼び出しがあった。人事部長は、黒部を罠に嵌めた一派の調査をするように命令したのだった。 メガバンク関東シティ銀行の立花常務取締役、これが本能寺だ。徐々に本丸に近づく黒田に、立花一派は次第に追い詰められ、事情を知る人間の口を封じ始めた。中でも立花の側近として長年仕えてきた大沢を使い捨てにした事で、地雷を踏んでしまった。 物語りとしてはパッピーエンドであるが、銀行マンである以前に人間であろうとする黒田にとっては何とも物悲しい、人生の悲哀を味わう結末である。それがこの作品に深みを与えているのだろう。
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