ギフト

双葉文庫

日明恩

2011年12月31日

双葉社

785円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

その少年に目が留まった理由は、ただ一つだった。こぼれ落ちる涙を拭おうともせずに、立ち尽くしていたからだ。それもホラー映画の並ぶ棚の前で。しかも毎日。-ある事件がきっかけで、職を辞した元刑事の須賀原は、死者が見えるという少年・明生と、ふとした縁で知りあった。互いに人目を避けて生きてきた二人。孤独な魂は惹かれ合い、手を結んだ。須賀原と明生は、様々な事情でこの世に留まる死者たちの未練と謎を解き明かしていく。ファンタジック・ミステリー。

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日明恩「ギフト」

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0
2019年12月18日

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

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3.5 2018年01月26日

この小説は不思議な雰囲気を持っています。怨霊が登場するので、ホラー系の恐ろしい物語かと思うと、全く違ってハートウォーミングストーリーなんです。心に傷を負う元刑事・須賀原と、死者が見える少年・明生が、強いわだかまりを残して死んだために、この世に留まり続ける霊を解き放つ短編連作です。 須賀原はレンタルビデオショップに夜勤専門で勤めています。言って見ればフリーターみたいなもんですが、須賀原はこの職場が気にいっています。何故なら、職場の人間関係に気を使わなくても済むからです。須賀原は他人との交流を避けているのです。それは性格だからではなく、過去に起こった事件以降、自分の殻に閉じ籠っているのです。その事件とは、須賀原の前の職場、刑事をしていた時に起きたようです。また、明生は何時もヘッドホンをして俯き、やはり他人との交わりを拒んでいるようなところがある少年です。何故そうしているか、明生には死者の霊が見えるし、どんなに繕ってもその人の本性が一瞬に見えてしまうからです。明生にとって、そんな神様からの贈り物、それは手放しで喜べる物でなはありませんでした。 そんな2人が出会って、須賀原は不思議な体験をします。明生の身体に触ると須賀原にも死者の姿が見えるのです。明生を仲介役として、須賀原が元刑事の経歴を生かして死者の怨念を解き明かし、解放することによって死者本来の居場所に旅立つというストーリィ構成は、中々に味わい深いものがあります。 職務とはいえ、深追いし過ぎた為に一人の少年を死に追いやってしまったことを悔やみながら、未来をみることなく只々生き続ける須賀原、死者が見えるという特殊能力を持ってしまったが故に両親を不幸にしてしまったと自分を責め、周りに嘘をつき続けて生きて来た明生、二人の心の痛みが伝わって来て切ない気持ちになりました。だからこそ、ラストが心に沁みました。

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