
深川袖しぐれ
はぐれ長屋の用心棒〔5〕
双葉文庫
鳥羽亮
2005年12月31日
双葉社
639円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
幼馴染みの女がならず者に連れ去られ、命を賭けてまで女を助けようと奔走する研師の茂次が狙われた。下手人糾明に乗り出した華町源九郎の前に三人の刺客が立ちはだかるが、なんとその背後には、闇社会を牛耳り町奉行所の役人までも手なずけている大悪党が…。危うし華町源九郎!好評シリーズ第五弾。
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(無題)
女の悲鳴が聞こえた。 茂次の幼馴染みのお梅だった。翌日、また男たちが現れた。立ちはだかった茂次は匕首で腹部をえぐられた。長屋では大騒ぎとなった。孫六が調べると、お梅が父親の借金のかたに連れ去られ、それを岡っ引きの千次が追いかけているとの事だ。ところが、この千次が殺された。どうやら千次を殺したのは相撲の五平のようだ。 華町源九郎、菅井紋太夫、茂次、孫六、三太夫の五人はお梅の行方を捜すことにした。相手が相撲の五平なら、深川の遊廓に遊女として売られたか、妾として囲いものになっているだろうとの見当だ。 源九郎と孫六は岡っ引きの栄造を訪ねた。すると、お梅と同じように借金のかたに取られた娘が他に二人いるという。さらに、五平を捕まえるのは難しいという。それは八丁堀の同心何人かは五平に買収されているからだ。相撲の五平に連れ去られた娘の一人お春が殺された。そして、源九郎が茂次といるとき、二人組に襲われる。 どうやらお梅が清滝という五平の息のかかった店にいることが分かった。そこに茂次は忍び込んで、お梅の姿を確認した。 源九郎と茂次の長屋が遊び人風の男たちにめちゃめちゃにされた。五平一家との戦いが本格化しようとしている。もはやお梅を連れ戻しただけでは決着が付かない。源九郎は栄造に相談を持ちかけ、町方と手を組んで、五平一味をつぶすしかないと踏んだ。五平のやり口に苦しめられていた店も多く、この一件を説いて回ると三百両ほどが集まった。これを使って他の岡っ引きたちを説得することにした。それと、南町奉行所の定廻り同心・村上彦四郎も味方に引き入れることにした。
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