
空也十番勝負 青春篇 剣と十字架
佐伯泰英
2018年1月4日
双葉社
712円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫
人吉城下のタイ捨流丸目道場での修行を終えた坂崎空也は、仇討ちを企む薩摩の東郷示現流・酒匂兵衛入道一派の刺客から逃れるため、五島列島の福江島へと向かった。平和な島で剣術稽古に励んでいたが、そこにも刺客は忍び寄り、空也はさらに北へ、隠れ切支丹と異人剣士が潜む野崎島へと辿り着く。累計2000万部突破「居眠り磐音 江戸双紙」に続く新たな物語。試練の三番勝負が始まる!
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(無題)
「居眠り磐音」全51巻の続編としてスタートした本シリーズも3巻目。十番勝負と銘打っている以上、10巻で終了するのだろう。現在は青春編だから、空也の生涯を描けば、これもかなりの大作となることが予想される。 それにしても、著者の世界に入り込むことで得られる安心感はいつものことながら、大したものだと思う。ぬるま湯にドップリと浸かった時のリラックス感とよく似ている。これをヒトはマンネリと言うのだろうが、マンネリ大いに結構と開き直ってしまうほどだ。 ところで今回、空也が勝負する相手は、サーベルの名手・ラインハルトである。長崎・出島に赴任して来た神父との設定である。神父?。江戸幕府はキリスト教を禁教にしたんじゃなかった?。以下にその辺に触れて見たい。 江戸幕府の対外政策の基本は鎖国であった。それはカトリック教国の領土的野心や,世俗的権威を否定し一揆や反抗に及ぶ危険性を警戒したためであった。ここで注意して欲しいのは、キリスト教禁令の対象はカトリックで、プロテスタントは対象外であることである。江戸の人々はカトリックのスペインやポルトガル人を南蛮人、プロテスタントのオランダ人を紅毛人と盾分けていたのだった。また、幕府が貿易の利益を独占するのも大きな理由であった。とくに,西国大名が貿易で富強になることを恐れたのである。このため幕府は対外貿易相手国を唐とオランダの東インド会社に限定したのだった。
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