学識ある無知について
平凡社ライブラリー
ニコラウス・クザーヌス / 山田桂三
2022年10月14日
平凡社
1,760円(税込)
人文・思想・社会
形而上学、神学、自然学の知を総動員して展開される神論、宇宙論、キリスト論、ブルーノ、パスカル、ライプニッツ、ヘーゲルらの思考を準備したルネサンス普遍人の主著が甦った。積年の推敲を経た新訳決定版。
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反対対立の一致
最大と最小、一と多などを手がかりに、縮減され、比較して理解が可能なこの世と、そのような理解が不可能な神とが対比される。神に対して最大なるもの、一なるものなどと語っても、その対比としての最小なる神、多なる神などという別の存在がいるわけではないから、神に対して最大、一などと比較的なワードで捉えるのは正確ではなく、むしろ最大にして最小、一にして多など、両者が一致した状態においてあるのだとする。超越的世界とこの世界が縮減において繋がりつつも、一方でこの世界はあくまで比較的なもののみで語りうるものとされる点、より近代的な思考に近いものが感じられる。
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