
アメリカの排外主義
トランプ時代の源流を探る
浜本 隆三
2019年1月17日
平凡社
946円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
トランプ政権の下、アメリカでは現在も白人至上主義や過激な人種主義を掲げる結社や集団が勢いづき、原因は、一見、移民の増加にあると捉えられている。それは本当だろうか? 研究の結果、排外主義は嫌悪感情の発露が引き起こす非合理な運動ではなく、さまざまな力学関係のなかで成立する、複雑な社会現象ということが見えてきた。 本書ではそのような気づきから、とくにアメリカの排外主義の歴史に注目し、魔女狩り、奴隷制、南北戦争やクー・クラックス・クランの活動を検証し、歴史的な座標軸から現代の問題を捉えなおす。21世紀、世界に渦巻く保護主義・排外主義のうねりの源流を探り、そのメカニズムを解き明かす。 序 章 二一世紀の世界と「トランプの壁」 二一世紀の世界と排外主義の潮流/トランプのファンタジーとリアリティ 悪と正義の構図/ポピュリズムの魔法/アメリカ・ファーストの文脈 マイノリティの囲い込み/万能壁としての「トランプの壁」/アメリカの排外主義を追う視点 第1章 セイラムの魔女狩り アメリカの魔女狩りとセイラムの魔女騒ぎ/魔女狩りの発展/魔女狩りの終息 ピューリタンの理想と現実/セイラムの不満と確執/魔女狩り拡大のメカニズム 第2章 ネイティヴィズムと「ノウ・ナッシング」 ネイティヴ・アメリカンの「涙の旅路」/アイリッシュ移民と反移民感情 ノウ・ナッシングをめぐる謎/秘密結社とネイティヴィズムの勃興 急拡大のからくり/ノウ・ナッシングの分裂と崩壊 第3章 南部白人の窮状とクー・クラックス・クランの誕生 南北戦争と黒人奴隷制/戦敗者たちの秘密結社 南部白人の窮状と黒人襲撃の意図/暴力の激化から解散へ 第4章 転換期アメリカ社会と禁酒法 都市化と産業化/「新移民」の急増/都市のスラムと劣悪な労働環境 革新主義の波/禁酒運動と禁酒法の成立/「悪」の排除と「秩序」の回復 第5章 人種主義、排外主義と移民制限法 進化論と「適者生存」/人種と人種主義/同化論と排外論 レッセ・フェールから移民制限へ/移民制限法導入の経緯 第6章 第二期クー・クラックス・クランとアメリカニズム ネイティヴィズム結社の隆盛/第二期クランの謎/『ザ・クランズマン』と『國民の創生』 「消化」される人種問題と史実の曲解/第二期クランのアメリカニズムと反知性主義 クランの人種観と慈善活動/第二期クランの内実 第7章 マッカーシズムから現代へ 「赤の恐怖」とマッカーシズム/公民権運動と差別是正措置 雇用の調整弁としてのメキシコ系移民 ネオコン、ティーパーティー運動、オルトライトとスティーヴン・バノン 終 章 トランプ時代の「大きな物語」 排除運動の理論と特質/ヨーロッパの排外主義の潮流 日本の外国人労働者と障害者差別問題/二一世紀世界の「大きな物語」 あとがき
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