
電車の中で化粧する女たち
コスメフリ-クという「オタク」
ベスト新書
米澤泉
2006年1月5日
ベストセラ-ズ
858円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
なぜ、女性たちは電車の中で化粧をするようになったのか。それは単にウチ・ソトの区別がなくなったからではない。化粧そのものが変わったのだ。今や化粧は、自己表現であり、立派な趣味の一領域であり、教養ですらある。「化粧が上手いですね」は褒め言葉であり、意のままに外見を操れる女性は「ビューテリジェンス」の持ち主として賞賛される。そして、コスメフリークたちの化粧への熱中ぶりは、まるでアニメやマンガに対するオタクのそれを思わせる。何しろ、彼女たちは私というフィギュアに「萌える」のだから。電車男と電車内化粧女。オタクとコスメフリーク。それは、九〇年代の日本社会が生み出した表裏一体の文化現象なのである。
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