
絶滅危惧種を喰らう
秋道智彌 / 岩崎望
2020年12月28日
勉誠出版
3,520円(税込)
科学・技術
現在、年間1000種の野生動物が絶滅しており、そしていったん絶滅した生き物は二度と地球上にもどることはない。 乱獲、生息地の分断、幼獣の食害、生息地環境の劣化・・・さまざまなシナリオで人間は動物を絶滅に追い込む。 野生動物を絶滅から救うために、我々は何をすべきなのか。 野生動物を「喰らう」問題、「装う」問題、そしていかにして野生動物を絶滅から救うかについての方策とよりどころとなる思想について多角的な視点から論じる。 序章 絶滅危惧動物とヒトーかかわりあいの歴史と文化 秋道智彌 第1部 絶滅危惧種を喰らう 第1章 「隣人」としてのゾウーバカ・ピグミーのゾウ肉タブーから読み解くヒト社会の進化史的基盤 安岡宏和 コラム1 メコンのシンボル「プラー・ブック」の危急と活用 秋篠宮文仁 第2章 ジュゴン猟をめぐるトレス海峡諸島民と生物学者たち 松本博之 コラム2 センザンコウの肉とウロコ 大石高典 第3章 凋落する大衆回遊魚ーサケとウナギ 森田健太郎・黒木真理 コラム3 フカヒレ狂騒曲 鈴木隆史 第2部 絶滅危惧種の商品化と文化化 第4章 ウミガメはなぜ減少するようになったのか? 亀崎直樹 コラム4 フウチョウに倣って着飾るダンサーーパプアニューギニア西部州クボの事例から 須田一弘 第5章 ホッキョククジラを守りながら食べるー北極海の先住民捕鯨 岸上伸啓 コラム5 薬となって滅びる動物ー犀角に群がる人びと 北出智美 コラム6 イルカ漁をめぐる三つの局面ー自然科学と環境保護と伝統文化 竹川大介 第6章 宝石サンゴー限りある資源と限りなき欲望 岩崎望 コラム7 鯨歯文化も絶滅するのかー捕鯨の副産物 内田昌広 第3部 絶滅危惧種の保全と利用 第7章 野生生物の違法取引と戦うーワシントン条約と日本 井田徹治 第8章 日本の「ゼロ絶滅」と「持続可能な利用」達成へのみちすじ 東梅貞義 コラム8 捕鯨は悪かーアンチ・スーパーホエール論 秋道智彌 第9章 絶滅危惧種を創る、護るー新たな絶滅要因、感染症によるパラダイムシフト 岡安直比 コラム9 チンパンジーを笑うヒトは滅びる 中村美穂 第10章 食べて守るか、食べずに守るか 松田裕之 コラム10 殺さずに末永く利用するー成功例ルワンダのゴリラツーリズム 井田徹治 終章 霊性の復権ー絶滅危惧種とのつきあい 秋道智彌 索 引
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