機巧の文化史 異聞
海を渡った三台のからくり人形
村上和夫
2023年7月31日
勉誠社
4,950円(税込)
科学・技術
「ジャパニーズペインター」と呼ばれる江戸時代のからくり人形は、なぜ異国に渡ったのか。 からくり師、時計師、天文家、マジシャン、コレクター……交錯する人物たち。わずかな痕跡を残し消えた高度なからくり人形の謎に迫るため、近代的エンジニアの先駆け田中久重の生涯を足がかりに、からくり製作の歴史と文化創造の過程を丹念に追った一冊。 貴重なからくり人形の写真を含む、約100枚の図版を掲載! 【本書の特色】 ・江戸時代に開化・発展をとげたからくりの歴史を知ることのできる一冊。 ・巻末には主要人物の説明や、索引を完備。 序 章 古い写真 第一章 ジャパニーズペインター やっと胸を張れる/からくり人形よ私/『弓曳童子の再生』/密かに調査を開始する 第二章 フェイクオートマタ マジシャンとからくり人形/ジョン・ゴーンを訪ねる 第三章 正体不明のからくり人形 写真はもっとある 第四章 日本化された機械時計 人間が機械に手を貸す/切支丹の時計鍛冶 第五章 天保六年七月二四日の絵日記 JPとの対面/第三の台付きからくりの正体/竹田近江からくり芝居/井桁屋徳兵衛は占箱を見たか 第六章 田中久重の生涯(青春期) 風砲製作の実態/メジャーリーグへの昇格/大坂の上町に工房を構える 第七章 田中久重の生涯(円熟期) 須弥山儀製作の人間模様/万年時計の到達点と限界/からくり師から近代的エンジニアへ 第八章 ショーほどステキなショーバイはない見世物稼業常世賑 河原者の輝き/竹田は西から東へ/曲独楽の舞台に弓引き人形/香具渡世が海を渡る 第九章 旅の記録 マジシャンたちの国際交流/生粋の日本人の村 第一〇章 マジックコレクターの系譜 「サロンの発祥」の要点/ドクター・フッカー小伝 第一一章 一万ドルの挑戦状 紙焼きを調べた/CMSへの最終リスト/もう一台のアーチャー 第一二章 からくり人形のオタクたち ロイの青春/熱いオタクに周囲は冷たい/“仕込み”こそ楽しいのに/河原者の末裔 終 章 辺境の文化 本書で述べた主な歴史的人物(五十音順) 参考文献 索引
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