中国古典をどう読むか

規範からの逸脱、規範への回帰

下定雅弘

2023年6月30日

勉誠社

4,180円(税込)

中国の作家たちは儒教倫理とつきあいながら人間の真実を表現してきた。 フェティッシュな表現に男の愛を託した陶淵明の「閑情賦」、愛する女との別れを語った元稹の「鶯鶯伝」、女性のすさまじい性欲を描いた柳宗元の「河間伝」など…。 古来、解釈が定まらない古典作品を、「規範からの逸脱、規範への回帰」という創作手法を鍵として再解釈。その真の主題、作家としての姿勢・戦術を解き明かす。 はじめに 序 章 『詩経』大序のおそるべき力ー規範からの逸脱と規範への回帰 第一章 曹植「酒賦」-乱れる酒宴の喜び 第二章 陶淵明「閑情賦」-あなたの靴になって素足を包みたい 第三章 杜甫「数陪李梓州泛江有女楽在諸舫戱為艶曲二首贈李」「冬狩行」 ー妓女や狩猟に夢中にならず、天下の平安にこそご尽力を 第四章 白居易「長恨歌」「李夫人」の「恨」-万能の皇帝も美女に出逢ったら愛の虜に 第五章 元稹「鶯鶯伝」-めくるめく愛の喜び、だがこの女とは別れねばならない 第六章 柳宗元「河間伝」-女性のすさまじい性欲 あとがき 附 録 作品分析の基本用語

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