近代都市の下層社会

東京の職業紹介所をめぐる人々

サピエンティア 49

町田 祐一

2016年10月25日

法政大学出版局

3,740円(税込)

人文・思想・社会

明治から大正にかけて、近代化の進む東京には全国から人が集まってきた。彼らは住居近くの職業紹介所を利用してより良い仕事を探すが、技術を持たない人々が就けるのは、ほとんどが日雇労働や女中などだった。江戸時代の流れを組む口入屋から、宗教団体による慈善事業、西欧を手本とした公立の紹介所まで、各事業の成立と展開、国や自治体の政策などを体系的に検討し、下層社会が拡大した経緯を追う。 序章 職業紹介所による就業  1 新聞記者の注目する施設  2 近代化と職業紹介事業  3 本書の構成 第1章 近代化と口入業者の変質  1 自由営業と口入屋  2 裏の顔を持つ口入屋  3 風紀問題と警察の介入 第2章 産業化と日雇周旋の拡大  1 親方の営利事業化  2 日雇終戦の組織化  3 地方へ送られる労働者たち 第3章 情報化と職業案内所の登場  1 求人情報を売るものたち  2 新手のビジネスの闇  3 警察の対決策、規制化 第4章 貧困問題と無料宿泊所の設立  1 職業紹介を行う宿泊所  2 感化救済事業と自立への試み  3 大正時代初期にかけての事業 第5章 苦学生を救う基督教救世軍労働寄宿舎  1 労働を前提とする寄宿舎  2 感化救済事業と施設の増設  3 工場街への設置と事業の課題 第6章 三つの公益事業の試み  1 基督教青年会の人事相談部  2 浄土宗の労働共済会  3 非宗教・非営利の東京模範紹介所 第7章 公設東京市職業紹介所の誕生  1 西欧の公益事業と「一等国」の体面  2 都市貧困層のための職業紹介所  3 貧困への対応と地盤作り 終章 職業紹介所の行方  1 近代東京の職業紹介事業  2 施設が注目される時代 あとがき 索引

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