対抗言論 反ヘイトのための交差路 2号

複合差別を解きほぐす

杉田 俊介 / 櫻井 信栄 / 川村 湊 / 藤原 侑貴

2021年3月1日

法政大学出版局

2,750円(税込)

人文・思想・社会

新型コロナ禍とともに幕を開けた2020年代。深刻な環境危機や経済的貧困の拡大のなかで問われているのは、マジョリティの内側からの変容であり、政治的主体化ではないか。人々を分断し統治する新自由主義の価値観、性差別や民族差別、優生思想がもたらす複合的な暴力を解体すること、〈棄民〉の政治に抗うことが世界同時的な課題となっている今、新しい民主社会への知恵をさぐる。待望の第2号! はじめに 共同討議 文学はいま何に「対抗」すべきか? 温又柔×木村友祐×杉田俊介×櫻井信栄 ■特集1 差別の歴史を掘り下げる 江戸思想史とアジアの近代──日本人と差別の歴史 子安宣邦氏インタビュー 聞き手=杉田俊介 帝国のタイムライン 「ひろしまタイムライン」とポストコロニアル・メランコリア ケイン樹里安 差別への問い 川口好美 桜桃の家族 川村湊 座談会 在日コリアン文学15冊を読む 康潤伊×櫻井信栄×杉田俊介 アフロペシミズムと〈在日〉の思想を読む 高橋若木 ハリエットとアイダ──差別と闘った奴隷の娘たち 篠森ゆりこ 小説 日本人こわい 櫻井信栄 ■特集2 性と障害と民主主義 中心をつくらない社会運動?──デザイン、フェミニズム、複合差別 宮越里子さんインタビュー 聞き手=杉田俊介 わたしと政治──声はどこから聞こえてくるのか? 岡野八代 家族や専門職に「殺させる」社会に抗う ──「大きな絵」を見据えながら「小さな物語」に耳を澄ませる 児玉真美 見えないバックラッシュ──障害のある人たちをめぐるテン年代の諸相 堤拓哉 とまどいを抱える──メンズリブ運動の歴史と再解釈をめぐって 尾崎俊也×西井開 僕が誰かの声を聴くことはできるか まくねがお 〈恋愛〉という物語の呪縛 倉数茂 意識的に泣く 白岩玄 ■特集3 二〇二〇年代の世界認識のために ゼロ年代〜二〇一〇年代の批評/運動をめぐって──差別・階級・慰霊と民主主義の現在 高橋若木×杉田俊介 脱出口を開く──「人間以後」の未来へ 篠原雅武 民主主義の自己修復的性質について──お祭りデモクラシーと語学学校デモクラシー 山本圭 時間への関与と現代日本におけるメンバーシップの境界 高谷幸 コロナ禍で顕在化した行政による「住所不定者」差別 稲葉剛 小説 ビザラン挽歌 藤原侑貴 【表紙写真】 松岡一哲 【本文写真】 池野詩織(001, 002, 010–011, 051, 209, 293頁) 【デザイン・装丁】 宮越里子

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