ミラコロ
高山文彦
2006年6月30日
ポプラ社
1,430円(税込)
小説・エッセイ
疲れた男をつき動かしたのは、一通の手紙だった。記憶の底へ封じこめた故郷の町から届いたそれは、廃業がきまった映画館の最後の上映会を報せる懐かしい百合子からの手紙だった。あの百合子が、なぜ?男は峡谷を走る小さな鉄道に乗り込んだ。空と谷のあいだを列車はゴトゴト走ってゆく。しずかに、優しく、人生の哀しみを脱がせながら。たまらなく温かい、大人の「奇蹟」の物語。
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