
かがみの孤城
一般書 113
辻村 深月
2017年5月9日
ポプラ社
1,980円(税込)
小説・エッセイ
あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていたーー なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
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みんなのレビュー (43)
(無題)
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辻村深月の真骨頂
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(無題)
それにしても冗長である。中学生の女子の心理なんてわかるわけがないのに、延々と1年間の日常を描かれては読者は退屈なだけだ。だからといって、途中で読み続けるのを放棄するのも、いささか躊躇がある。なんせ、本作は本屋大賞を授賞しているのだから。芥川賞や直木賞は、文芸春秋社の営業政策に左右されるところが多分にあるから信用していないが、本屋大賞は読んで面白い、売りたいと思った書店員が選出するだけに大体ハズレは無いと思って間違いない。本書に限って言えば、その思いが胸中に湧き出るのは、最後の数ページに至ってからである。 それまでは、中学生の不登校を扱った社会派小説?、いやいや、鏡から異世界に入ったり戻ったりのファンタジー世界?、うん、もしかしてこれはパラレルワールドを扱ったSF小説か、とあちこちに気持ちが振られる。そして最後に、そうか時間を扱った哲学小説か、とふに落ちる。本書を読み終わった時、どういう訳か三島由紀夫の「豊饒の海」を思い浮かべていた。
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さすが!!超名作。
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ティーン向けミステリ+ファンタジー
学校に行けない子供達が鏡を通して城に集められる。鍵を見つければ願いが叶うとかなんとか。 辻村さんらしいミステリに、ファンタジーを混ぜた良策。本屋大賞1位。 それなりに予測できたため、一段落したところまでは耐えられたが、その後の展開で感泣した。 主人公達が中学生であり、その視点で描かれることもあって非常に読みやすい。同年代のティーンに読まれるべき作品。 弱者で孤立する子供達が助け合うながらも、ありがちな「負けずに闘おう」ラストで無いところが良い。それでいて、逃げることを全肯定するのではなく、ある意味諦観とも取れる「よそはよそ、うちはうち」として生きるための物語ではないだろうか。 過酷な何かにはこの先の人生でも必ず対面するだろう。その相手は、自分では正義だと考えている事が多い。そんな時、正面から向き合うのではなく、躱すことの重要性を彼らは学んだと思う。
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奥深くも優しい傑作
辻村さんの作品は初めて読みましたが、こんなに素晴らしい作品を書かれる方なのかと、久々に感動した一冊となりました。 最初はいじめの問題を抱えた主人公がファンタジックな世界でいろいろな体験を乗り越えて変わっていく、という単純なストーリーを想像していました。 ところが、実際は登場人物たちの住む現実に主軸がおかれた、奥深い物語でした。 読み進めていくにしたがって、「城」に集まった登場人物たちの抱える事情が見えてきます。そのなかで彼らは不器用ながらもお互いに優しさを示し始め、主人公の周りの人々も少しずつ変化していきます。そして最後はちょっぴり寂しさを残しつつ、希望が見える話で終わりを迎えます。 これは個人的に思うところですが、気持ちの変化に関する描写がとにかく繊細です。 こんな感情や心境の変化を文章にできる辻村さんの才能に感銘を受けました。 私だったら文章にできず、「気まずい気持ち」「モヤっとした」で終わりそうな気持ちを巧みに文章にしてあり、読んでいると「そうそう!こんな感じ!」と、学生時代の自分の気持ちを思いだしました。 主人公がいじめにあっている記述も、まるで自分が体感しているかのように恐怖が伝わってきて、心臓がドキドキしてしまいました。 それから、学校の対応には思うところがいくつかありましたね(苦笑) 数年前に某市の図書館が「無理に学校にいかなくていい、行きたくなかったら図書館においで」と発信して問題となりましたが、そういう気持ちになった学生さんも、そういう気持ちになったことのある大人も、ぜひこの優しい作品に触れて、これから生きていく勇気を得てほしいです。
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iamtom
辻村先生の本は縁に溢れてる
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