龍神の教え手帳【令和4年版】

小野寺S一貴

2021年9月16日

扶桑社

1,980円(税込)

小説・エッセイ

龍神ガガの予言 「我が予言しよう。令和4年、開運の鍵は『火』になるだろう」 僕たちを守る龍神のガガが、そう力強く宣言した。 「『火』? 世間では最近『風の時代』が来たと騒がれてますけど……」 「たしかに占星術の世界では『風の時代』と言われているがね。しかし、令和4年に限れば、我々龍神と神様が感じているのは風よりも火なのだよ」 なるほど、「風の時代」とは言っても、それはこれから200年も続くわけだ。その中の短い周期で様々な流れが訪れるは当然と言える。そして、より身近にいる龍神や神様は、短期的な流れも教えてくれるのだ。 「まず、令和4年はこれまで隠れていた幸せが出現する年になるがね。夜のように静かだが、悪い年にはならん。たくさんの希望が芽を出すだろう」 「それは良かった!!」 僕は安堵した。近年はコロナ禍で大変な年が続いたから、なおさらだ。 静かな中にも良いことがたくさん起きると思うだけで、なんか嬉しい。 「そして、この一年をより素晴らしいものにするために、静かながらも自らの心に火をおこすことが、実に重要なのだよ」 「ガガのいう火って、心の情熱や意欲のことかしら?」 ワカの疑問にガガが大きく頷いた。 「さよう。仕事でも趣味でもいい。恋愛でも子育てでも、やりたいことや叶えたいことを誰でも持っているはずだ。違うかね?」 そうだと思う。人は皆、生きがいや情熱を持って暮らしたいのだ。だけど、なかには「やりたいことがわからない」という人もいるかもしれない。ガガさん、どうしましょう? 「安心したまえ。今、その道がわからず迷っている者は多いのだ。しかし、一旦火を灯せば、その明かりが方向を示してくれるがね」 「お尻に火がつくとか、人気に火がつくとか言いますもんね。たしかに人生に火をつけると、すごく楽しくなりそうだな」 「そして一度火がつけばそう簡単には消えんし、その火は我々との関係をより強固にしてくれるがね。火は冷えた心を温め、誰かに分け与えることもできる。何より、どれだけ分けても決して減らぬ大きなエネルギーだ」 心に火を灯せば、そこに生まれた情熱で、自分を守ってくれる存在がより強く、優しく進化するという。もちろん願いだって叶いやすくなるのは、言うまでもない。 「まずは自分の心に火をおこせ。そして1年間、情熱的で笑いが止まらぬ素晴らしい毎日を送ろうではないか。さあ、諸君の心の火はどんなものだ? 我に教えたまえ」 ガガはそう言って、カカカと大きく笑う。

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