『枕草子』の世界

放送大学教材

島内 裕子

2024年3月20日

放送大学教育振興会

3,080円(税込)

人文・思想・社会

『枕草子』には、清少納言の人間観や美意識が明快に表現されているので、豊富な原文講読を通して、王朝時代の散文表現に親しみ、『枕草子』の全体像を解説する。また『枕草子』に顕著に見られる清少納言の批評精神を、当時の他の作品や、後世の文学作品も視野に入れて相対化し、現代に通じる価値観の発露として理解するとともに、文学的な達成と影響力を把握する。 『枕草子』という一つの作品を通して、多様な表現スタイルや、自由で洞察力に満ちた人間認識が、普遍的な文学精神の基盤であることを認識する。 1.『枕草子』をどう読むか 2.『枕草子』の宮廷章段 3.『枕草子』の列挙章段 4.男性貴族たちとの交遊録 5.中宮定子の輝き 6.中の関白家と、一条天皇の宮廷文化 7.人間認識の深まり 8.子どもの情景と、「かわいい」の発見 9.多様化する文体 10.批評の論理と、季節の美学 11.論評する清少納言 12.『枕草子』の長編章段 13.清少納言の自画像 14.変容する『枕草子』 15.『枕草子』の達成域と、「枕草子文化圏」の展開

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