嘘と秘密を重ねて

二十五歳になるまでにラザロ・ダンテと結婚するーそれがアリアナに定められた運命だった。契約は遠い昔、親友だった双方の父親によって交わされたもので、二人が結婚すれば、ダンテ家に代々伝わる貴重な宝石を両家で分ける。結婚しなければ宝石を海の底に沈めるというのだ。父たちはなぜ、こんなばかげた契約を交わしたのだろう。そう憤りつつも、アリアナはラザロとひそかに連絡を取りあい、見せかけの結婚生活を送ろうと決めた。宝石を無事両家で分けあったあと、別れることを前提に。だが挙式当日、予想外の事態がアリアナを襲った。タキシード姿のラザロを目にしたとたん、心奪われてしまったのだ。シリーズ最終話。ラストは兄弟一の堅物、ラザロの登場です。ほとんど知らないも同然の女性と、政略結婚をすることになったラザロ。偽りの結婚生活は、果たしてうまくいくのだろうか。