ダ・フォース 上

ハーパーBOOKS 81

ドン・ウィンズロウ / 田口俊樹

2018年3月26日

ハーパーコリンズ・ジャパン

1,069円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

麻薬や銃による犯罪を取り締まるマンハッタン・ノース特捜部、通称“ダ・フォース”。ニューヨーク市警3万8千人の中でも最もタフで最も優秀で最も悪辣な警官たちを率いるデニー・マローンは市民のヒーローであり、この街を統べる刑事の王だった。だが、ドミニカ人麻薬組織の手入れの際におこなったある行動をきっかけに、栄光を約束されたマローンの人生は、転落の道をたどりはじめる…。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

以前から巧いミステリ作家だったけども、麻薬カルテルと警察の凄まじい闘いを描いた「犬の力」「ザ・カルテル」という凄い作品を世に出して大作家的な位置に来た感のある作者の邦訳最新。これもまた凄まじい作品だった。 主人公はニューヨーク市警の部長刑事で「マンハッタンノース特捜班」というエリート部隊を率いている。荒っぽい手入れで何度も派手な成果をあげており一般市民にも顔が売れている存在だが、マフィアから賄賂を取り、手入れでは現金をくすね、検事や内部監査の担当までも金の力で押さえているという汚れた警官でもある。彼を取り締まるものは一見誰もおらず言わ王様として街に君臨している存在。そんな彼はあるドミニカ人麻薬ディーラーの手入れで無抵抗の麻薬ディーラーを殺し、金だけではなく大量の麻薬をくすねることで一線を超えてしまう。そんな男が連邦警察に目をつけられて、という話。いわゆるヒーローの転落話なのだけどそこはこの作者の巧いところでとことんまで転落しきった主人公に最終章で光を当て直し、という展開でストーリーを単なるノワールに終わらせない。次にどうなるのかが気になってどんどんページを追っていってしまい眠れなくなる感じの作品。素晴らしく面白かった。これはおすすめ。

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