十九世紀の聖夜
クリスマス・ストーリー
ポーラ・マーシャル / 小林綾子
2004年11月30日
ハーパーコリンズ・ジャパン
1,320円(税込)
小説・エッセイ / 新書
『クリスマス・ローズを捜して』-ローズはロンドンから遠く離れたいとこの城でクリスマスを迎えようとしていた。かつて彼女が巻き込まれたスキャンダルも、田舎の社交界では知られていないはずだ、安心して食事会を楽しめばいい。そう思っていた彼女の前に、以前あらぬ疑いをかけてきたサー・マイルズが城の招待客だといって現れた。彼はわたしの過去を暴くつもりだろうか?『谷に響くキャロル』-一八七〇年のクリスマス、ウェールズの谷にキティ・モードが帰ってきた。幼いころから彼女に憧れていたガレスは、再会したその夜こっそり寝室に忍び込み、熱い思いを打ち明けた。キティ・モードもガレスのことはずっと好きだった。だからこそキスも受け入れた。しかし、キティ・モードにはどうしても彼を愛することができない大きな理由があった。『ともしびをかかげて』-北軍大尉トラヴィスと南軍支持のイザベルが初めて会ったのは、南北戦争が始まって一年後、南軍の勢いに陰りが見えはじめた十二月のことだった。屋敷を接収しようとする憎むべき敵なのに、彼女はトラヴィスに惹かれてしまう。その紳士的な態度、優雅な軍服姿、激しい情熱に。やがて戦いは熾烈をきわめ、彼女は愛と道義の間で選択を迫られて…。『金の星に願いを』-お金はない。そして職もない。病気の妹には薬が必要だ。そこでヴェリティは窮余の策を思いついた。偽名を使って、劇場の踊り子になったのだ。時は十九世紀、紳士にとっての踊り子は娼婦も同じ。フォリングズビー子爵も遊び目的で近づいてきた一人だ。でも彼の誘いは断れなかった。クリスマス休暇を一緒に過ごせば五百ポンド払うと言われたのだ。
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