
夜と霧[新版]
ヴィクトール・E・フランクル / 池田 香代子
2002年11月30日
みすず書房
1,870円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会
〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉 「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。 世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。 私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か。20世紀を代表する作品を、ここに新たにお送りする。
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(無題)
実はこの本は数年前に入手していてそのうち読まなければと思いつつ内容のヘヴィさになかなか手に取れなかったのだけどISの人質を読んでいるうちにこの流れで今なら読めるのでは、と思って手にとってみた。押しも押されぬというか言わずと知れたベストセラーで世界の名著みたいなところには漏れなく登場する作品。だからこそ入手したのだけれどナチスの強制収容所に収監されていた心理学者の体験記が楽しいわけがなくなかなか読めずにいた。何より驚いたのは内容はともかくその文章が極めて読み易いことで短いセンテンスで区切られた簡潔かつ明快な文章だけにその内容の意味するところの悲惨さがより際立っているのではないかと思った。世界的なベストセラーで内容に関して今更どうこう自分が言う事は無いのだけれど、加害者を殊更に糾弾する事なく、また、民族性を排しあくまで理不尽に極限状態に追い込まれた人間がどのように正気を保つのか、というテーマが掘り下げられていてその点が世界的名著と言われる所以なのかと思った。先が見通せない絶望的な状況でいかに精神の平衡を保つのか、ということを図らずも自らの実体験を通して実験せざるを得なかった作者の苦悩は想像すらできないけれどもその意図するところは明確。よくこう言う本を読んで「感動」という人がいるけれども何を読んでいるのかと思う。強いメッセージ性を持った作品。確かに名作と思いますがかわいそうな話を読んで感動したいのならそれは違うと申し上げたい、そういう作品でした。
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Mickey
人間という生き物と精神に関する考察
著者自身が、実体験として語りつつ、一歩引いた俯瞰した目線で語っているのが印象的だった。 この本から学べるのは、「所属ではなく個人の攻撃性」「自身を守るための生物としての反応」「状況判断の重要性」など多岐にわたる印象。 自身が生きるための知恵として、衝撃的なテーマでありながら自叙伝である本書は、一読の価値があると思う。 一方で、読み替えるかどうかというと、人によるかなと思う。 個人的には、世界史の理解や人類学、医学などに興味があった都合、意外と新しい発見はないように感じた。
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