
パレスチナ問題
エドワード・W・サイード / 杉田英明
2004年2月17日
みすず書房
6,930円(税込)
人文・思想・社会
〈私たちはパレスチナと呼ばれる土地にいた。たとえナチズムを生き抜いたヨーロッパのユダヤ人残存者を救うためであっても、ほとんど何百万もの同胞にパレスチナからの離散を余儀なくさせ、私たちの社会を雲散霧消させてしまったあの土地奪取と私たちの存在抹消とは、いったい正当化される行為だったであろうか。いかなる道徳的・政治的基準によって、私たちは自らの民族的存在や土地や人権に対する主張を捨て去るよう期待されているのだろうか。一民族全体が法律上存在しないと告げられ、それに対して軍隊が差し向けられ、その名前すら抹消するために運動が繰り広げられ、その「非存在」を証明すべく歴史が歪曲される。そんなとき、何の議論も沸き起こらない世界とは何なのだろうか〉 西洋のオリエンタリズム的・植民地主義的な視点が、いかにイスラエルの視点にすりかえられ、そこから「アラブ」に対する歪んだ表象が生み出されてきたか。問題の起源からシオニズム、バルフォア宣言、イスラエル建国、四次にわたる中東戦争、キャンプ・デーヴィッド会談をへて1990年代へ。本書は、現代世界の矛盾の象徴であるパレスチナ問題への最も信頼に足る基本文献であるとともに、サイードが渾身をこめて書き上げたもう一つの主著である。 凡例 地図 序 第1章パレスチナ問題 1 パレスチナとパレスチナ人 2 パレスチナとリベラルな西洋 3 表象の問題 4 パレスチナ人の権利 第2章犠牲者の視点から見たシオニズム 1 シオニズムとヨーロッパ植民地主義の姿勢 2 シオニストの住民化とパレスチナ人の非住民化 第3章パレスチナ人の民族自決に向けて 1 残留者、流亡者、そして占領下の人々 2 パレスチナ人意識の発生 3 PLOの台頭 4 審議未了のパレスチナ人 第4章キャンプ・デーヴィッド以降のパレスチナ問題 1 委託された権限ーー修辞と権力 2 エジプト、イスラエル、合衆国ーーそれ以外に条約が含意したもの 3 パレスチナ人および地域の現実 4 不確定な未来 1992年版への序文 訳者あとがき 訳註に利用した参考文献 アラビア語・ヘブライ語のローマ字転写と仮名表記 主要な術語・概念の訳語一覧 書誌 原注 索引
close

ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
X

LINE
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
みんなのレビュー