
ブラジル日系移民の教育史
根川幸男
2016年10月26日
みすず書房
14,300円(税込)
人文・思想・社会
日本の教育は、移民と共に越境し、矛盾や相克を生み、変容し融和していった。ここにおける主体であるブラジル日系移民は、1930年代というブラジル・ナショナリズム高揚期に集中したため、彼の地の移民同化政策と太平洋戦争の影響を直に受けた。 本書は、そうした独特の歴史状況下で進められた移民子弟教育の実態、および、その背景を詳述した大変貴重な研究である。ブラジルで長年暮らし、調査を続けてきた研究を集大成し、ここに一冊の書物としてまとめあげた。 史学領域においては、日本の戦前・戦中期の教育についての研究は多くなされてきたが、このような、海外で行われた教育実践から顧みた精緻な研究は希少である。そして、ブラジルという異郷との境界に浮かび上がる、日本の教育文化や教育思想の特徴、グローバルな日本語解釈共同体の存在は、現代世界の政治・社会状況分析への大いなる示唆に富むものとなっている。 苛酷な状況下での創意工夫と情熱に満ちた教育文化、そして、それを創造した強い精神など、かつて海を渡った日本人移民の様々な体験から得るものは少なくないであろう。
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