映画と黙示録

岡田温司

2019年12月21日

みすず書房

4,400円(税込)

エンタメ・ゲーム

〈もしもこの世界に終わりがあるとしたら、それはいつごろどんな風にやってくるのだろうか。それを克明かつ想像力豊かに記したのが、紀元後一世紀の末に書かれたとされる『ヨハネの黙示録』である。西洋においてこの本は、今日に至るまで、宗教はもとより、思想や芸術のみならず、政治や社会全般にいたるまで計り知れない影響力をもってきた。(…)神が死んだとされる現代においても、黙示録的な想像力がとりわけ映画において脈々と生きつづけているとするなら、それは、映画というメディウムーー「霊媒」という意味もあるーーそのものが、一種の世俗化された「宗教」に他ならないからである。映画とは、儀礼と物語と美学の三つが出会う場なのだ。〉 核による人類滅亡、宇宙戦争、他者としての宇宙人(異星人)の表象、救われる者と救われない者、9・11という虚実の転倒と終末映画、そして、コンピューターやロボット、AIに支配される社会…。ホラー、パニック、アクション、戦争、SF、ミステリー、フィルム・ノワールなど、約250作を取り上げ、原典があらわすイメージ・思想と今日の私たちとの影響関係を解き明かす、西洋美術史・思想史家の面目躍如たる一冊。 「起こりうること」「間近に迫っていること」にとらわれて生きる私たち人間は、黙示録的な世界の鑑賞を欲しているのだろうか? ブロム/カーティス/モース/ワトキンス/ロンム/ワイズ/ホークス/シーゲル/ベルイマン/マルケル/ゴダール/パゾリーニ/タルコフスキー/ベーラ/フライシャー/トランブル/ヴェンダース/ハネケ/キャメロン/ボイル/フォン・トリアー/バートン/レスター/マーフィー/カーペンター/ヒューズ兄弟/シャマラン/イニャリトゥ/ブロムカンプ/エドワーズ/ゴラック/ヴィルヌーヴ… 序、あるいは世界に終わりは来るのか 第I章 核のアポカリプス 第II章 天使か悪魔かーーエイリアンの正体 第III章 テイク・シェルターーー現代のノアの箱舟 第IV章 9・11 ビフォー/アフター 第V章 終末を笑い飛ばせーー風刺とパロディ 第VI章 名監督たちのアポカリプス おわりに 参考文献 フィルモグラフィー

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