ネオレアリズモ

イタリアの戦後と映画

岡田温司

2022年5月11日

みすず書房

4,950円(税込)

エンタメ・ゲーム

戦争とファシズムを生き抜いたイタリアで生まれた、新しいリアリズムの潮流、ネオレアリズモ。 デ・シーカ(『自転車泥棒』『ウンベルト・D』)、ロッセリーニ(『無防備都市』『戦火のかなた』)など名だたる監督たちによる作品群として知られるが、その中心にいたのは、デ・シーカの共作者であり、数々の作品を世に送り出した脚本家・製作者チェーザレ・ザヴァッティーニである。 素人役者の起用、子供を主役に据えること、野外ロケーションなどの偶然に開かれた撮影手法によって、市井の人々の、生きられる現実をつづるネオレアリズモは、同時代のフランスの映画批評家バザンにより「俳優も、物語も、演出も存在しない、現実そのものという美学的幻想の内にある映画」と称賛され、ドゥルーズにより「純粋な光学的状況」と評された。それは映画の究極の夢であるとしても、ネオレアリズモは「純粋映画」の神話にとどまるものではない。 ネオレアリズモを映画理論の枠組みから解き放ったとき、イタリアの土地の方言としてのネオレアリズモが立ち現れてくる。本書は、長年にわたりイタリアに魅入られ、探究してきた西洋美術史家による、ネオレアリズモ再訪への招待状である。 はじめに 第1章 ネオレアリズモとは何か 第2章 ファシズム、レジスタンス 第3章 ヴァチカンとカトリシズム 第4章 ロケーション、あるいは風景と人間 第5章 子供のまなざし 第6章 イタリア式コメディ おわりに 近現代イタリア社会史略年譜 参考文献 フィルモグラフィー 人名索引

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