
レス・ザン・ワン
詩について 詩人について 自分について
ヨシフ・ブロツキー / 加藤光也 / 沼野充義 / 斉藤毅 / 前田和泉 / 工藤順
2025年5月12日
みすず書房
7,150円(税込)
人文・思想・社会
「詩人とは、どのような言葉もそれで終わりにならず、思考の出発点となるような人間である」(「ある詩について」) 20世紀後半最大のロシア詩人、ノーベル文学賞受賞者ヨシフ・ブロツキー(1940-96)の真髄をしるすエッセイ集の日本語版をここに刊行する。全篇を通じて詩の魅力と可能性を存分に語り、同郷のアフマートワ、マンデリシュターム夫妻への思いを綴り、カヴァフィスやモンターレやウォルコットを論じる。なかでもマリーナ・ツヴェターエワの詩「新しき年の辞」と、ブロツキーが最も敬愛する詩人W・H・オーデンの詩「1939年9月1日」を分析した長大な二篇は精緻で深遠で、詩論の見本のような出来になっている。さらに、本書の巻頭と巻末に置かれ、幼年期から1972年に国外追放されるまでのソ連時代の生活を描いた「レス・ザン・ワン」と「一つと半分の部屋で」は、痛切に読者の心に響く。全17篇のすべてが格調高く、リアルで瑞々しい。 レス・ザン・ワン 哭き歌のムーサ 振り子の歌 改名された街の案内 ダンテの影のもとで 独裁政治について 文明の子 ナデージダ・マンデリシュターム(1899-1980) 追悼 元素の力 潮騒 詩人と散文 ある詩について 空中の大惨事 W・H・オーデンの「1939年9月1日」について 師の影を喜ばせるために 卒業式の講演 一つと半分の部屋で 世界感覚の巨大な加速器に乗ってーーヨシフ・ブロツキー略伝 解題 訳者あとがき
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