並行宇宙は実在するか

この世界について知りうる限界を探る

松下安武 / 野村泰紀

2025年4月18日

みすず書房

2,970円(税込)

科学・技術

「この夜空のずっと先は、いったいどうなっているのだろう」「この世界はどこまで続いているのだろうか」。誰もが一度は考えたことのある素朴な問いを突き詰めていくと、「私たちの宇宙以外にも、並行宇宙が無数に存在する」というとんでもない理論に辿りつく。 私たちが観測できる領域は、この宇宙のごく一部に限られている。しかし、その限られた範囲の観測事実から、これまでに宇宙の途方もない歴史が明らかになり、さまざまな謎も浮かび上がってきた。たとえば、「誕生直後の宇宙の温度はなぜ極めて均一だったのか(地平線問題)」。あるいは、「この宇宙はなぜ不自然なほど生命に都合よくできているのか(微調整問題)」。これらの問題に対し整合性をとるべく、科学者たちはさまざまな宇宙像を考えだしていった。そして、無数の並行宇宙の存在を仮定する「マルチバース」と呼ばれる宇宙像に到達したのだ。本書はこの過程を豊富な図版とともに解説し、その検証可能性にも触れている。 巻末には、監修者による解説「並行宇宙論の衝撃」を付す。サイエンスライターによる丁寧な説明と最前線の研究者のビジョンが織りなす1冊。 1 私たちの宇宙ーーユニバース 第1章 宇宙はどのくらい広いのか 第2章 宇宙は無限か有限か 第3章 「無」からの宇宙創成 第4章 宇宙を超巨大化させた「インフレーション」 2 無数の宇宙ーーマルチバース 第5章 親宇宙から無数の子宇宙が生まれた 第6章 私たちの宇宙は<幸運>なのか 第7章 物理学史上最大の微調整問題 第8章 超ひも理論が予言する宇宙 第9章 パラレルワールドとの深いつながり 3 マルチバース宇宙論は実証できるか 第10章 インフレーションの証拠は見つかるか 第11章 超ひも理論や高次元空間は実証できるか 第12章 並行宇宙の存在は実証できるか あとがき 監修者解説 並行宇宙論の衝撃 さらに学びたい読者のためのブックガイド  図版出典 索引

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