
戦後日本のメディアと原子力問題(24)
原発報道の政治社会学
山腰 修三
2017年3月30日
ミネルヴァ書房
3,300円(税込)
人文・思想・社会
メディア研究による「現代日本社会の批判的分析」はいかにして可能なのか。本書は、戦後から現代にいたる日本の原発問題・原子力政策を事例に、政治社会学的なメディア研究の可能性を提示するものである。原子力報道はどのように変わってきたのか。そして、日本社会はそうした報道にかいに影響を与え、あるいは影響されたのか.福島原発事故以前からこの問いに取り組んできたメンバーによる研究の成果が今。明らかになる。 はじめに 第1章 原子力平和利用政策の社会的意味──正当性の境界分析の試み(烏谷昌幸) 1 平和利用と軍事利用の境界 2 境界線を支える思想 3 正当性の境界をめぐる攻防 4 分節化と他者理解 5 恐怖感情の共有 第2章 国産原子炉と技術者の物語──原発報道におけるテクノナショナリズムとその陥穽(津田正太郎) 1 テクノナショナリズムの「過剰」と「過少」 2 日本におけるテクノナショナリズムと原子力発電 3 原発報道におけるテクノナショナリズム 4 テクノナショナリズムの陥穽 第3章 メディア経験としての「原発事故」──チェルノブイリ原発事故報道の分析を中心にして(山腰修三) 1 原発事故をめぐる「危機」と「日常」 2 チェルノブイリ原発事故のメディア経験 3 「意味づけをめぐる政治」の再活性化 4 社会秩序、政治的なもの、そしてメディアの機能 第4章 原発輸出政策をめぐるメディア言説の編制──外交政策・メディア・世論(三谷文栄) 1 東日本大震災と原発輸出 2 メディア言説の分析枠組み 3 原発輸出政策をめぐるメディア・フレームの分析 4 フレーム競合の背景 5 原発輸出への日本社会の「関心」 第5章 「原発事故避難者」の表象と地元メディアのジレンマ──〈ジャーナリズムの理念〉をどう対象化するか(新嶋良恵) 1 原発問題と地元メディア 2 コミュニティ内部の対立の「可視化」と「不可視化」 3 地元メディアによる対立の表象 4 「避難者」のメディア表象から探るジャーナリズム論の可能性 第6章 3・11後の原子力政策に関する世論調査・世論調査報道──形成され構築される「現実」としての世論(山口 仁) 1 世論調査と世論調査報道が持つ「力」 2 世論の形成と世論の構築・構成 3 世論調査・世論調査報道──三・一一前後の世論調査・報道から見る原発問題 4 現代社会における「世論」の構築をどうとらえるか? 第7章 インターネットを通じて可視化する原発・放射線被曝問題に対する人びとの意識──美味しんぼ騒動を事例として(平井智尚) 1 美味しんぼ騒動への着目とその狙い 2 原発・放射線被曝問題と人びとのインターネット利用 3 原発・放射線被曝問題に対する関心の低下──人びとのインターネット利用を対象とする研究の困難さ 4 美味しんぼ騒動とインターネットの関係に着目する意義 5 美味しんぼ騒動に関するインターネット上の発言──まとめサイトとMAGブログを対象とした調査と分析 6 原発・放射線被曝問題をめぐる不確実性と脅威 索 引
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