「無理しない」観光

価値と多様性の再発見

福井 一喜

2022年2月18日

ミネルヴァ書房

3,080円(税込)

これから私たちは、どんな観光をめざせばよいのだろうか。無理な町おこしやオーバーツーリズム、いきすぎた観光投資……。観光の問題は、現代社会そのものの矛盾と結びついている。本書は社会を広くとらえる視点から、「無理しない」をテーマに、地域を守る新しい観光のあり方を提言する。  はじめに 序 章 なぜ「みんな幸せ」になれなかったのかーー観光をめぐる理想と現実  1 「観光で日本と地域を再生しよう」  2 観光で経済を活性化させる方法  3 観光へのいらだちとみんなの「自助努力」  4 「無理しない」観光論  第1部 観光で稼ぐのは難しいーー観光による経済成長の限界 第一章 高級ホテルの従業員は高級ホテルに泊まれる?--観光する人/される人に生じる格差  1 買う者と買われる者の格差  2 「観光立国」とはなんなのか  3 観光で経済が活性化したのはどこのだれか?  4 観光による格差の再生産 第二章 今日の空室は明日売れないーー観光が格差を悪化させるのはなぜか?  1 「腹が空いているのは現在である。明日の馳走では間に合わない」  2 「今日の空室」は明日売れないし、「人間にしかできない仕事」は、儲からない  3 「人気の地域」がみんな持っていく  4 観光で得をするのはどこのだれか? 第三章 予約サイトに一割持っていかれるーープラットフォームビジネスの限界  1 観光のデジタル化とプラットフォームビジネス  2 デジタル化は観光地になにをもたらす?  3 「フローの空間」の支配構造  4 必然としてのプラットフォーム化とデジタル化の限界  第2部 観光と地域の多様性と自由を生かすーー「無理しない」観光のかたち 第四章 すべての地域が「観光地」をめざすべきなのか?--地域をめぐる政治と自由を再考する  1 観光で自治体の財政難は解決できるか?  2 観光政策論の「自助努力」という精神  3 数によるガバナンス  4 すべての地域が「観光地」をめざすべきなのか? 第五章 無理な町おこしはしなくていいーーローカルな限定性を生かす  1 観光地の「もともと」を考えてみる  2 あらためて、観光とはなにか?  3 むしろ観光がITビジネスを支える  4 「ローカルな限定性」を生かす 第六章 暮らしやすさを保つ、国土を守るーー消費されない観光をめざして  1 観光は「暮らしやすい地域」を作る  2 観光は文化を守るーー暮らしやすさとオーセンティシティ、価値観の多様化  3 観光は国土を守るーー災害、水資源、安全保障  4 消費されない観光をめざす 終 章 これからめざす「無理しない」観光のかたちーー価値と多様性を再考する  1 パンデミックが暴いてしまったこと  2 地域と観光をめぐる「構造的不正義」  3 地域の責任と自由を考える  4 「無理しない観光」から、「無理しない社会」へ おわりに 参考文献

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