手塚治虫は「ジャングル大帝」にどんな思いを込めたのか

「ストーリーマンガ」の展開

竹内 オサム

2021年11月2日

ミネルヴァ書房

3,850円(税込)

戦後のストーリーマンガはどのように成立したのか。手塚治虫の「ジャングル大帝」からそのルーツを探る。手塚は、それまでのギャグマンガに代表される笑いを取るためのマンガではなく、喜怒哀楽のみならず、悲劇性をストーリーマンガに吹き込んだ。それ以後のマンガの潮流を作り出した「ジャングル大帝」の成立過程を詳論する。著者マンガ研究四十年のライフワーク。 はしがき 第一章 中央の雑誌へのデビュー  1 「ジャングル大帝」を取り巻く環境  2 『新宝島』で赤本マンガの世界に  3 『漫画少年』への連載のいきさつ  4 『漫画研究』という冊子の性格  5 「単行本と雑誌の漫画」の内容 第二章 〈動物三部作〉のひとつとして  1 〈SF三部作〉との対応関係  2 「ジャングル大帝」と「ロスト・ワールド」の関連 第三章 「バンビ」の公開や映画からの刺激  1 映画「密林の王者」との関わり  2 「バンビ」からの影響  3 映画「エベレスト征服」との関係  4 絵物語の影響と絵の記号性 第四章 赤本マンガでの構想  1 赤本マンガとしての初期構想  2 初期の創作ノートに注目  3 ノート16の「ジャングル大帝」  4 C・ウエルズによる探検記からの刺激 第五章 『漫画少年』で連載がスタート  1 連載「ジャングル大帝」の初回  2 構想ノートとの比較  3 カラーの表紙ーー連載二回めの推敲の跡  4 脚本をもとにコマ割をーー連載三回めの草稿と連載作品  5 神秘の山ムーン山とレオの名ーー連載四回めの推敲のありさま 第六章 学童社版単行本への意気込み  1 叙情味の演出と心理描写ーー初の単行本化、学童社版  2 恋愛感情とムーン山の謎ーー光文社版単行本(全四巻)への再編 第七章 小学館版、初めての完結  1 初期型を温存ーー小学館版単行本の刊行  2 紛失した原稿をトレスしてーー光文社版から小学館版へ  3 のちの定本にーー文民社版単行本への再構成  4 二十二章に細分ーー全体の構成の明確化 第八章 「ジャングル大帝」と大陸移動説  1 「ジャングル大帝」の枠組み  2 手塚治虫と大陸移動説  3 手塚が接した可能性のある本 第九章 「ストーリーマンガ」の概念と悲劇的要素  1 手塚が考えたストーリーマンガとは  2 「ストーリーマンガ」という用語の起源  3 子どもマンガの悲劇的要素 あとがき 人名・事項索引

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