都市とモビリティーズ(3)

シリーズ・現代社会学の継承と発展

金子 勇 / 吉原 直樹

2023年9月20日

ミネルヴァ書房

3,850円(税込)

人文・思想・社会

都市というものは人々が集まることに出自するが、グローバル化、そしてその変容が進みヒト・モノ・コトの移動(モビリティーズ)のあり方が激変する今日、都市を捉える社会学の理論にも刷新が求められている。本書は、蓄積されてきた先行研究を丁寧に検証したうえで、階級構造、コミュニティ、政治、文化との関わりから新時代に向けた理論の構築を試みる。最前線で活躍する研究者が結集し、日本の都市社会学の到達点とその先を展望する一冊。 はしがき 第1章 「未知の未知」に挑む都市社会学──くれ惑う都市的世界から(吉原直樹)  1 都市社会学の存在証明のために  2 きらめく都市・ゆらぐ都市・反転する都市  3 黙示録としての都市社会学  4 都市社会学の再審  5 ナラティヴとしてのコミュニティへ/から  6 トランジション・シティの「表」と「裏」  7 「既知の未知」から「未知の未知」へ  8 外に開かれた都市社会学へ 第2章 格差と都市空間の社会学──現代日本における階級構造の変容と大都市分極化(橋本健二)  1 現代日本における格差拡大の進行と地域間格差  2 現代資本主義社会の階級構造とその変容  3 現代資本主義と都市  4 使用するデータと階級カテゴリーの操作化  5 三大都市圏の階級構成と階級格差  6 三大都市圏の空間構造とその変化  7 ジェントリフィケーションとその諸結果  8 階級闘争の空間としての都市 第3章 都市社会学のコミュニティ論──その論理と現代的課題 (中筋直哉)  1 コミュニティへの学説史的アプローチ  2 近代化──コミュニティ論の歴史的文脈  3 都市コミュニティ論のユニークさ  4 都市コミュニティを支える都市の精神 第4章 グローバル都市研究から大都市の国家リスケーリング研究へ──批判的都市研究による「大阪都構想」へのアプローチ (丸山真央)  1 ネオリベラル・グローバル化の転機に  2 グローバル化する都市、ネオリベラル化する都市  3 大都市の国家リスケーリング  4 大都市の国家リスケーリングとしての大阪都構想  5 ネオリベラル・グローバル化以後の批判的都市研究に向けて 第5章 都市と文化の社会学──企業家主義的都市論から文化生産論へ(笹島秀晃)  1 「都市と文化の社会学」とは何か  2 黎明期の都市と文化の社会学  3 日本において都市と文化の社会学を展開する  4 二〇〇〇年代以降の都市と文化の社会学──細分化と精緻化  5 都市と文化の比較社会学、文化生産の都市社会学へ あとがき 人名・事項索引

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